JC Lodge(JC ロッジ)Text by Dub Store Sound Inc.
'Someone Loves You Honey'、'Telephone Love'の大ヒットによって世界的に知られる女性アーティスト。ジャマイカ発の良質なラバーズ・ロックを多数生み出すと共に、時代を彩ったディージェイ達とのコンビネーションでも強烈なインパクトを残した。
JC Lodge
本名 |
June Carol Lodge |
出生 |
1958年12月1日 |
出身地 |
イギリス ロンドン |
ジャマイカを代表する女性シンガーであるJC ロッジ(JC Lodge)ことジューン・キャロル・ロッジ(June Carol Lodge)。ジョー・ギブス(Joel Gibson)やガッシー・クラーク(Augustus Gussie Clarke)のプロデュースで数々のヒットを飛ばし、ラヴァーズ・ロック・ファンにも絶大な支持を得ている。
10歳までをロンドンで過ごした後、父と共にジャマイカへと渡った彼女の歴史はまさにシンデレラ・ストーリーと呼ぶに相応しい。幼少の頃はビートルズ(Beatles)等を好んで聴いていたそうで、彼女独特のポップ・センスのルーツはロンドン時代に培われた物であろう。
夫であり、曲作りのパートナーであるエロール・オミーリー(Errol O'Meally)との出会いが彼女を業界へと導く直接的なきっかけとなった。元々作曲家を目指していたオミーリーの為に録ったデモ・テープがジョー・ギブスの目にとまりプロとしてのキャリアをスタート。スターへの階段を一気に駆け上がってしまった。
ジョー・ギブス(Joe Gibbs)からのデビュー・シングル、'Someone Loves You Honey'がいきなり本国ジャマイカで2ヶ月に渡ってナンバー・ワンに輝き、更にオランダにおいては1982年のソング・オブ・ザ・イヤーに選出され、プラチナム・レコードを獲得したのである。
この曲はアメリカの黒人カントリー・ウェスタン・シンガー、チャーリー・プライド(Charlie Pride)のヒット曲をカバーした物で、彼女が天から授かった最大の恩恵、透き通るような歌声が特に素晴らしい。
ジョー・ギブス時代以外に特筆すべきは、やはりガッシー・クラークのミュージック・ワークス(Music Works)やアンカー(Anchor)からの作品群であろう。彼はディージェイが全盛の時代において新たにシンガーを手がけた数少ないプロデューサーでもあった。
彼と組んで1988年、あの'Telephone Love'が大ヒット、更にシャバ・ランクス(Shabba Ranks)との'Hardcore Loving'やタイガー(Tiger)との'Love Me Baby'といったコンビネーションもヒットさせた。70年代からのルーツ・ミュージックと革新的なコンピュータ・サウンドが非常にうまくミックスされたミュージック・ワークスのトラックに乗った彼女のヴォーカルはシーンに強烈なインパクトを残した。
'Telephone Love'がヒップ・ホップ・フィールドでも大ヒットしたことでレーベル、トミー・ボーイ(Tommy Boy)と契約、2001年にはイギリスに戻り老舗レーベル、ジェット・スター(Jet Star)を中心に活躍している。
2008/01/15 掲載 (2013/11/21 更新)