Alaine(アレーン)Text by Dub Store Sound Inc.
現在のダンスホール界を牽引する女性アーティスト。貴公子ドノヴァン・ベネットのドン・コーレオンからの作品群がたて続けにヒットし、確固たる存在感を示している。
Alaine
本名 |
Alaine Laughton |
出生 |
1978年9月21日 |
出身地 |
アメリカ ニュー・ジャージー |
関連アーティスト |
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2007年のダンスホール・シーンにおいて一際眩い光を放ったアレーン(Alaine)。ファースト・アルバム、「Sacrifice」も好調なセールスを記録しており、ジャマイカのみならず世界的な成功への第一歩を踏み出したと言えるだろう。
アメリカのニュージャージー生まれ、ジャマイカ育ちの彼女はクラシックピアノの経験を基盤としたソングライティングと、両親から授かった美しい歌声で自身を表現する。
シンガー、そしてソングライターとしても類稀な才能を発揮するアレーンだが、女優としての顔も併せ持っている。幼少の頃からジャマイカのラジオ番組のジングル、テレビ番組やCMなどに出演。これらの活動が評価され、1988年にはあのウーピー・ゴールドバーグ(Whoopi Goldberg)主演の映画に子役で出演している。
ジャマイカの大学でマネージメントと心理学の学位を修めた後、彼女はニューヨークの投資銀行に就職する為アメリカへと渡った。しかし音楽の道を諦めたわけではなく、仕事の傍らスタジオにも通い続けた。日中の勤務を終えてからスタジオというハードな生活を続けられたのも、音楽へのあくなき情熱からに他ならない。
そうした努力の甲斐あって、2003年にはアメリカのレーベル、ロッカフェラ(Roc-A-Fella)からリリースされたキャムロン(Cam'Ron)のサード・アルバム、「Come Home With Me」に収録された1曲に参加、更にコンピレーション・アルバム収録曲でもシンガー・パートを担当する等のチャンスに恵まれた。
そんな彼女だが銀行でも昇進をきっかけに音楽活動に時間を割く余裕が全く無くなってしまう。二足の草鞋を履き続けるには限界であった。この時アレーンは大きな人生の選択を迫られることとなる。安定した生活か、はたまた夢である先の見えない音楽の道へと進むのか、最終的に彼女はジャマイカに戻りシンガーとしての道を選んだ。
2004年にジャマイカに帰国してからはダセカ(Daseca)やタクシー(Taxi)といったレーベルに録音を残した。そして2005年の'No Ordinary Love'を皮切りにドノヴァン・ヴェネット(Donovan 'Vendetta' Bennett)のドン・コーレオン(Don Corleon)と組んで質の高いスタジオ・ワークをこなしている。ドノヴァン・ヴェネットの作るエモーショナルなトラックとの相性も抜群、それを証明するかのように、2007年に入ると'Sacrifice'、'Speak Love'、'Sincerely'と立て続けに大ヒット。今やレーベルを代表する看板シンガーである。
先程も触れたが、彼女の大きな魅力は100%ジャマイカのダンスホール・トラックに乗せても、ヒップ・ホップやR&B、クラシック等からの影響をうまく表現できるソングライティング能力とヴォーカル・スキルにある。これらの要素を踏まえてもジャマイカだけでなく、インターナショナル・マーケットでの成功も期待出来るのではないだろうか?始まったばかりの彼女のストーリーはどのような展開をみせるのか、今後の活躍が楽しみである。
2008/01/18 掲載 (2013/11/21 更新)