Da'Ville(ダヴィル)Text by Dub Store Sound Inc.
類稀な美声とカバー等も器用にこなすヴォーカル・スキルでシーンを賑わすトップ・シンガー。ヴォーカル・グループ、ARPでの活動を経てソロとなり、様々なレーベルからヒット作を生み出している。70年代に活躍したアーティスト、ジャー・トーマスを父に持つ。
Da'Ville
本名 |
Orville Thomas |
出身地 |
ジャマイカ キングストン |
関連アーティスト |
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ダヴィル(Da'Ville)ことオーヴィル・トーマス(Orville Thomas)はその情熱的で豊かなテナー・ヴォイスでシーンにおいて大きな存在感を示している。ご存知の方も多いかも知れないが、彼の父は70年代に活躍したディージェイのジャー・トーマス(Jah Thomas)であることも彼のキャリアに多大な影響を与えている。父の姿を見ながら育った彼はごく自然に音楽への道を意識し始めることになった。
学生時代に他の生徒たちをリードする聖歌隊の一員として歌い始め、卒業後5人組のヴォーカル・グループ、ARPのリード・シンガーとしてデビュー。様々なコンテストで優勝し、321ストロング(321 Strong)の'Lion Sleep Tonight'やバンキラス(Bankylous)からリリースされたビーニ・マン(Beenie Man)との'Missing You'等のヒット曲を録音した。更にはあのインターナショナル・アーティスト、シャギー(Shaggy)のアルバム、'Hot Shot'に収録された'Why Me Lord?'にゲスト参加する等着実にトップ・グループとしてのキャリアを積み重ねていったのである。
グループとしての活動を通して音楽への更なる情熱を培った彼は、ARPの活動と平行してソロとしての活動もスタートさせる。
ソロでの最初のヒットはマーシャ・グリフィス(Marcia Griffiths)とのデュエット、'All My Life'である。2001年にペントハウス(Penthouse)からリリースされたこの曲はジャマイカのみならずアメリカ、イギリスといった諸国のチャートを賑わせるインターナショナル・ヒットとなった。
その後、ソロとしての活動に専念した彼は2003年、爆発的大ヒットとなったあの'In Heaven'をリリース。レゲエ・リスナー以外にも大きくアピールすることに成功し、その盛り上がりは世界中に飛び火していった。これによりトップ・アーティストとしての地位を不動のものとし、ここ日本においても正真正銘トップ・アーティストとして認知されるようになったのである。
'All My Life'はカーラ・ボノフ(Karla Bonoff)の、'In Heaven'はブライアン・アダムス(Bryan Adams)のそれぞれカバー
であるが、原曲の良さを最高に引き立てるアレンジと彼の類稀な美声によって両曲とも非常に完成度の高い作品に仕上がっている。これらカバー作品のクオリティーの高さもダヴィルの魅力を表現する代名詞と言えるだろう。その後も着実にトップ・シンガーとしてのキャリアを積み重ね、'The One For Me'、'On My Mind'、'Yesterday'等に代表されるヒット曲をコンスタントにチャートに送り込んだ。天性の才能であるその美声を活かしたミディアム・チューンだけでなく、ハードなジョグリン・チューンで披露されるシング・ジェイ・スタイルもアーティストとしての幅の広さを示している。マキシ・プリースト(Maxi Priest)、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)、ボブ・マーリー(Bob Marley)に影響を受けたと本人が語っている通り、ジャンルを飛び越えた音楽の素晴らしさを伝える力が彼には宿っている様に思える。
2018/08/08 掲載