Courtney Melody（コートニー・メロディー）Text by Dub Store Sound Inc.
1980年代に数々のダンスホール・クラシックを残したシンガー。ウィンストン・ライリー、ロバート・フレンチといったプロデューサーの元から数々のヒットを生み出した。
Courtney Melody
| 出身地 | ジャマイカ セント・アンドリュー |
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彼もまたキャリアのスタートはサウンド・システムであった。ステレオ・ワン(Stereo One)のクルーとして活動していた彼は、システムが所有する同名のレーベルに'Screechie Across The Border'をレコーディング。サウンド・システムを題材にしたキラーなリリックをマイナー・コードのリズム・トラックに乗せた破壊力抜群のチューンで、スピード感溢れるリズムと彼のアウト・オブ・キー・スタイルが見事にはまった会心の出来である。
ロバート・フレンチのフランス(France)には、'Turn Them Back'と'Modern Girl'という2つのビッグ・チューンを残した。バウンシーなキックが特徴的な"African Beat"に乗せた'Tuen Them Back'はアッパーなリズムと小気味の良いヴォーカルが印象的な素晴らしいチューンである。一方'Modern Girl'もダンスホールでは定番のファウンデーションとしてお馴染みである。理想的な女性について歌った素晴らしいラブ・ソングで、コートニー・メロディーのスウィートな歌声が胸を打つ作品である。
ウィンストン・ライリーのテクニークス(Techniques)からの作品群も見逃せない。リズム"Mood For Love"を使用した'Key To Your Heart'、'This Sound A Dem Trouble'といったチューンもさることながら、ダンスホールでは定番のクラシック、'Bad Boy'をやはり特筆するべきであろう。サウンド・クラッシュでも頻繁にプレイされるこの曲は彼の名前を一躍有名にし、同タイトルのアルバムも発表されている。
そして彼を押しも押されぬトップ・シンガーへと押し上げたのがファイヤーハウス(Firehouse)からの'Ninja Mi Ninja'とキラマンジャロ(Killamanjaro)からの'Protection'である。'Ninja Mi Ninja'は日本の文化であるニンジャをテーマに掲げていることもあり、特に馴染みの深い曲であろう。攻撃的なシンセベースに乗せて歌い上げる自信に満ちたヴォーカルは力強く、サウンド・クラッシュにおいては欠かせないチューンだ。ニンジャマン(Ninjaman)とのコンビネーション、'Protection'も彼のキャリアを華々しく飾る代表曲となった。共にシーンで大きな注目を浴びる存在であった2人によるコンビネーションはモンスター・ヒットを記録し、ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)の'Greatest Love Of All'のフレーズを使用している事や、社会問題であった若い女の子の妊娠について警告したシリアスなリリックでも大きな話題となった。
こうして振り返ってみても分かる様に、彼の残したチューンは現在でもしっかりとダンスホールで生き続けている。様々なプロデューサーの元、これだけのクラシック・チューンを生み出し、しっかりと歴史に名を刻んでいる。90年代以降はリリース量も減り、目立ったヒットには恵まれていないが、彼の残した作品は色褪せる事なく今尚シーンでしっかりと受け入れられている。
2008/05/15 掲載 （2011/07/26 更新）
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