Nitty Gritty（ニッティ・グリッティ）Text by Dub Store Sound Inc.
テナー・ソウ、キング・コングと共に"アウト・オブ・キー"スタイルの先駆者として知られるアーティスト。最初期のデジタル・リズムに合わせたそのスタイルで、重要なヒットを生み出した。
Nitty Gritty
| 本名 | Glen Augustus Holness |
| 出生 | 1957年 |
| 死没 | 1991年6月24日 |
| 出身地 | ジャマイカ キングストン オーガスト・タウン |
電気技師として生計を立てていたニッティ・グリッティだが、1970年代初頭にソウルライツ(Soulights)を結成。これをもって本格的にシンガーとしての道を歩み始めた。1973年にはジョー・ギブス(Joe Gibbs)の元でデニス・ブラウン(Dennis Brown)、マイティ・ダイヤモンズ(Mighty Diamonds)等と活動を共にしている。
シュガー・マイノット(Sugar Minott)のユース・プロモーション(Youth Promotion)で録音した初のソロ作品、'Every Man Is A Seller'はあまり話題にはならず、その後成功を掴むまでに10年もの歳月を要することとなる。そこからはダニー・ドレッド(Danny Dread)と共にサウンド・システム、ディアック・サウンド・システム(Zodiac Sound System)でマイクを握り、地道に下積み活動を行っていった。その間フーキム兄弟のチャンネル・ワン(Channel One)にもいくつかの録音を残している。そして1984年からはジョージ・パン(George Phang)のパワー・ハウス(Power House)へと活動拠点を移した。
彼が手にした最初のヒットは1985年キング・ジャミー(King Jammy)の元からリリースした'Hog In A Minty'である。低い声質とゴスペルを思わせる嘆く様なヴォーカル・スタイルは、この曲に使用されたマイナー調のキラー・リズム、"Temmpo"と抜群の相性を見せた。自身のスタイルにあったリズムに恵まれ、驚きに値する程の強烈なパフォーマンスを見せ付けたこの曲のヒットにより、彼の才能はようやく日の目を見ることとなったのである。更にジャミーズ(Jammys)からは"Stalag"リズムの'False Alarm'、そして'Run Down The World'、'Good Morning Teacher'、'Sweet Reggae Music'、'Gimme Some Love A Your Something'といったヒットを立て続けにリリースした。同時期に録音されたヘンリー・ジュンジョ・ロウズ(Henry 'Junjo' Lawes)のアライバル(Arrival)からの'Solomon'も彼のキャリアを辿る上で外すことは出来ない。こうした楽曲のヒットによりニッティ・グリッティは初期コンピュータ・リズムに時代における重要人物としての地位を確立していった。
その後はロンドン、ニューヨークへも活動の幅を広げ、アップテンポ(Up Tempo)、スケンドン(Skengdon)、ブラッカー・ドレッド(Blacker Dread)といったレーベルに様々な録音を残した。
1987年にジャマイカへと帰国するとスタジオ・ワン・バンド(Studio One Band)と共にアルバム「General Penetentiary」を録音。ブラック・ヴィクトリー(Black Victory)レーベルからリリースされた。この作品はジャマイカを離れる以前の彼に戻ったかの様な作風でニッティ・グリッティの魅力を凝縮したかのような巣晴らしい内容となっている。
他には真似の出来ないオリジナルなヴォーカル・スタイルと"アウト・オブ・キー"を武器に順調な活躍を続けた彼だったが1991年の6月24日、ブルックリンのスーパー・パワー・レコード・ショップ(Super Power Record Shop)の前で弾丸に倒れて死亡。享年34歳。
2008/11/14 掲載 （2013/11/28 更新）
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