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アーティスト特集

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Shaggy（シャギー）Text by Harry Hawks

世界トップ・クラスの売り上げを見せるジャマイカ人アーティストのシャギーは、他のレゲエ・アーティストよりもイギリスとアメリカでヒット曲を獲得している...

Shaggy

本名	Orville Richard Burrell
出生	1968年10月22日
出身地	ジャマイカ　キングストン
関連アーティスト	Rayvon Shabba Ranks Maxi Priest Rik Rok Screechie Dan Barrington Levy Beres Hammond Brian & Tony Red Fox Snow

オーヴィル・リチャード・バレル(Orville Richard Burrell)は1968年10月22日にジャマイカのキングストンで生まれ、18歳の頃、家族と共にアメリカ、ニューヨーク州のフラットブッシュ地区へと移住した。その2年後彼はUnited States Marine Corps(アメリカ海兵隊)へ入隊した。シャギー(Shaggy)はそれ以前に、ブルックリンで歌のレッスンを受け、ノース・カロライナ州のCamp LeJeuneに駐在時、週末は定期的に街に出向き、ジブラルタル・ミュージック(Gibraltar Muzik)などを含むいくつかのサウンドシステムで独自のディージェイ・スタイルを発達させた。野戦キャノン砲の乗組員として1991年の湾岸戦争に出兵、海軍を退役後、シャギーは軍人らしからぬ乱れた髪型を自身のステージ・ネームに用いショー・ビジネスのキャリアを歩み始めた。シグネット(Signet)からリリースされ、スティング・インターナショナル(Sting International)のロバート・リヴィングストン(Robert Livingston)にプロデュースされた'Big Up'などのレコードで、彼のパートナー、レイヴォン(Rayvon)と共に話題を作り始め、それ以降、彼が止まることは無かった。

30年以上前にフォークス・ブラザーズ(Folks Brothers)がプリンス・バスター(Prince Buster)のために録音した名曲をベースにしたラガとヒップ・ホップのフュージョン、また「原曲の全ての可能性を今の時代に合わせた」、'Oh Carolina'はシャギーに空前の国際的クロスオーヴァー・ヒットをもたらした。おそらくオリジナルのナイヤビンギに影響を受けたヒット曲に慣れ親しんでいたため、まずレゲエのオーディエンスの間で人気が出たこの楽曲は、ロンドンのグリーンスリーブス・レコーズ(Greensleeves Records)がライセンスとプロモーションをしたときに全く違うレベルへと上っていった。この楽曲は1993年、冬から春にかけてのイギリス国際チャートで第1位になり、世界のチャートを賑わせていたシャバ・ランクス(Shabba Ranks)やチャカ・デマス&プライヤーズ(Chaka Demus & Pliers)がその後に続き、チャートにラガ楽曲が怒涛のランクインを見せた。

シャギーは自身のキャリアを固め続けたが、それはイギリスの国際チャートで第5位になった、レイヴォンとのマンゴ・ジェリー(Mungo Jerry)の1970年のスマッシュ・ヒット、'In The Summertime'のカヴァーをリリースする2年前のことだった。この後に続いたのは同年の暮れにイギリスとアメリカで第1位に達した、レーベル、ビッグ・ヤード(Big Yard)からリリースされた、素晴らしい'Boombastic'だった。この楽曲はLevi'sジーンズのテレビCMにフィーチャーされ、同タイトルのLPはアメリカでゴールド・ディスクとなり、1996年のグラミー賞のBest Reggae Albumを受賞した。実に見事なビッグ・ヤードからの7インチ・リリース、'Boombastic Living String Remix'はマーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の"Let's Get It On"リズムにシャギーの遊び心がある自慢話が巧妙にフィットし...人気を博した。翌年の夏には、ブッカーT & ザMGズ(Booker T & The MG's)の'Green Onions'をミックスしたマキシ・プリースト(Maxi Priest)とのデュエット、'That Girl'がイギリスの国際チャートで第15位にランクインした。

2001年春、シャギーの'It Wasn't Me'はイギリスでリリースされたときに第1週目に345,000枚を売り上げ、第1位を獲得、そして売り上げ合計は驚異的な1,180,700枚まで到達した。'Angel'もまた同年の夏に第1位になった。この2曲はMCAからの3枚目のリリースとなった、イギリスの国際アルバム・チャートとアメリカのBillboard 200の両方ともで第1位になったアルバム「Hot Shot」にフィーチャーされた。「Hot Shot」は1年の1番いい時期にチャートに残り、世界的に1200万枚を売り上げた。2002年には、'Shaggy, Where Are You?'と名づけられた映画「Scooby-Doo」のサウンドトラックのテーマ曲を歌い、2008年12月、「Intoxication」は第51回グラミー賞にノミネートされた。

2013年秋、シャギーは日曜日にレイ・タウンで行われている伝説的なストリート・ダンス、Classique Discoで、自身の最新アルバム「Out of Many, One Music」の立ち上げを行い、キングストンのダンスホール文化と共に自身のルーツに立ち戻った。スライ・ダンバー(Sly Dunber)とロビー・シェイクスピア(Robbie Shakespeare)により監修され、自身のロング・アイランドのスタジオで録音されたこの作品をシャギーは「レゲエの神...スライ&ロビー(Sly & Robbie)」との活動、と表現し、リズム・ツインズは2013年の秋に行われたシャギーとレイヴォンの"Out Of Many"ツアーに同行し、ヨーロッパを駆け回った。

シャギーは20年以上も本物のジャマイカ音楽を世界中のジャンルの異なったオーディエンスたちに上手く提供したことで、他に例を見ない世界的人気を獲得した。'Boombastic'の人気が出始めた頃、彼は即座に専門家たちから"一発屋"と軽々しく見られてしまい、情報誌が掲載したツアーのロンドン公演の宣伝はシャギーを"もの珍しいアーティスト"と評価した。批評家たちが音楽を愛する大衆(イギリスでのショーは12,500席を擁する名声あるWembley Arenaで行われた)、もしくは2007年10月にオーヴィル・リチャード・バレルにJamaican Order of Distinctionの上位クラス、Commanderを贈ったジャマイカ政府に追いついてもいい頃である。シャギーの驚くべき、また明らかな偉業が全ての人々に正当に認知されるには、あといくつ賞に輝き、後どれ位レコードを売り、世界的な成功を収めなくてはならないのだろうか?

2017/06/07 掲載