Michigan, Smiley（ミシガン・アンド・スマイリー）Text by Dub Store Sound Inc.
70年代後半にコンビネーション・スタイル流行の基盤を作ったディージェイ・デュオ。新時代の旗手としてシーンに登場し、コクソン・ドッド、ヘンリー'ジュンジョ'ロウズ、ドノヴァン・ジャーメインといったプロデューサーの元から重要なヒットを放った。
Michigan, Smiley
| メンバー | Anthony Fairclough Errol Bennett |
| 結成地 | ジャマイカ |
彼等がスタジオ・ワンから放ったヒット、'Rub A Dub Style'や'Nice Up The Dance'といった楽曲は70年代に主流であったアフリカ帰還やラスタファリズムといった宗教的テーマでは無く、ダンスホールという新たな時代を切り開いた。'Nice Up The Dance'に使用された"Real Rock"は70年代にも何度かリメイクがリリースされているが、このリリースによってダンスホール・トラックとしてのイメージを完全に確立したと言えるだろう。それ程のインパクトを持ったこの曲に引っ張られる様に、様々な楽曲が相次いでリリースされることとなり、スタジオ・ワンのリズムのリメイクは更に勢いを増して行った。
スタジオ・ワンで大きな仕事をやってのけると、1982年、チャンネル・ワン(Channel One)にてアルバム、「Step By Step」を発表。スライ・ダンバー(Sly Dunbar)を中心としたミュージシャンが支える力強いリズムに乗った掛け合いは、現場でのラバ・ダブさながらの臨場感に溢れている。翌1983年には56ホープ・ロード(56 Hope Road)に傑作'One Love Jam Down'をレコーディング。こちらも発売と同時に大きな反響を呼び、彼等の代表作となった。強烈なワン・ドロップ・リズムをのらりくらりと乗りこなしていく何ともレゲエらしい作品である。ゆったりしながらもツボを押さえた2人の掛け合いは必聴である。
80年代初期にシーンを支配したヘンリー'ジュンジョ'ロウズ(Henry 'Junjo' Laws)率いるヴォルケーノ(Volcano)でも彼らは素晴らしい輝きを放った。ここでも彼等は重要なヒットをリリース。ルーツ・ラディックス(Roots Radics)の引き締まったワンドロップ・リズム、"Mad Mad"に乗せた'Diseases'は彼等の最高傑作との呼び声が高く、ヘンリー'ジュンジョ'ロウズが手掛けた作品の中でもトップ・クラスのクオリティを誇る。90年代に入るとドノヴァン・ジャーメイン(Donovan Germain)のペントハウス(Penthouse)よりスザンヌ・ヴェガ(Suzanne Vega)のポップ・ヒットを大胆にカバーした'Tom's Diner'をヒットさせている。印象的なキャッチーなフレーズとリズム、"Gunman"との相性も抜群でゆったりとしたオールド・スタイルを感じさせるパフォーマンスも魅力的である。
その後、ミシガン(Michigan)は自身のレーベル、ラシャンコ(Rashanco)を設立、プロデューサー業にも着手した。現在でもクラシック・リズムのリメイクを中心に様々なアーティストのプロデュースを行っている。近年では自身のヒット曲の再演や再発などアーティストとしての活動も積極的に行い、これからの活躍も期待される。
2008/06/20 掲載 （2013/11/28 更新）
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