Black Scorpio(ブラック・スコーピオ)Text by Dub Store Sound Inc.
ジャック・スコーピオ(Jack Scorpio)ことモーリス・ジョンソン(Mourice Johnson)によって設立、運営されたレーベル。同名のサウンド・システムも所有し、キング・ジャミーズ(King Jammys)とのクラッシュを始め数々の伝説を残した。84年のレーベル発足から現在まで良質な作品を生み出し続けている。
Black Scorpio
設立 |
1984年 |
設立地 |
ジャマイカ キングストン |
主要スタジオ |
Dynamic Sounds Studio Harry J Studio |
設立者 |
Mourice Johnson |
プロデューサー |
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エンジニア |
Micheal Riley Sylvan Morris |
関連アーティスト |
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関連レーベル |
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ジャック・スコーピオ(Jack Scorpio)ことモーリス・ジョンソン(Mourice Johnson)によって設立されたレーベル兼サウンド・システム。モーリス・ジョンソン(Mourice Johnson)は生まれが蠍座であった事からスコーピオと呼ばれるようになり、以来ジャック・スコーピオ(Jack Scorpio)として親しまれている。1972年からサウンド・システムの運営をスタートしていたジャック・スコーピオ(Jack Scorpio)は、サウンド・システム・マンからプロデューサーへと転身するという、ジャマイカの伝統とも言える方法で成功を収めた人物である。
1972年からサウンド・システムの運営を開始したジャック・スコーピオ(Jack Scorpio)がプロデューサー業へと打って出たのは1984年になってからの事である。サウンド・システム発足から10年余りの間、レコード・ビジネスには手を出さずにいた理由は定かでは無いが、ササフラス(Sassa Frass)、ジェネラル・トゥリー(General Trees)といった看板ディージェイを擁したブラック・スコーピオ(Black Scorpio)は、瞬く間にシーンにおいて重要な位置を占めるまでに成長した。
サウンド・システムの立ち上げ以来の看板ディージェイであるササフラス(Sassa Frass)の'Pocomania Jump'がレーベルのファースト・ヒットである。レーベル発足後すぐに放ったこの曲のヒットはササフラス(Sassa Fruss)とブラック・スコーピオ(Black Scorpio)の名を一躍トップへと押し上げた重要なレコードである。またササフラス(Sassa Frass)は競馬の騎手のファッション、ホースマン・スタイルでも大きな話題となった。元々競走馬関係の仕事をしていたジャック・スコーピオ(Jack Scorpio)の元、このスタイルはブラック・スコーピオ(Black Scorpio)の代名詞となる程の人気を博した。
ササフラス(Sassa Frass)に続くサウンド・システムのスターがジェネラル・トゥリーズ(General Trees)である。他のサウンド・システムですでにキャリアを積んでいたジェネラル・トゥリーズ(General Trees)は70年代末からブラック・スコーピオ(Black Scorpio)に活躍の場を移し、ササフラス(Sassa Frass)同様にホースマン・スタイルを売りとして人気を獲得していった。ジェネラル・トゥリーズ(General Trees)は'Gone A Negril'、'Mini Bus'、'Peanut Man'、'Tarzan'といったヒット曲によってその存在をシーンへと知らしめ、誰もが認めるレーベルの顔となった。
その後も様々なアーティストが本レーベルからヒットを放った。パパ・サン(Papa San)の'Style & Fashion'、パン・ヘッド(Pan Head)の'Gal Yu Proud'、'Fu Funky Man'、系列レーベルのサーティー・デッドリー・アヴェニュー(30 Deadley Ave)からはフランキー・ポール(Frankie Paul)とパパ・サン(|artistPapa San|||)のコンビネーション、'Buck Wild'、メジャー・ウォリーズ(Major Worries)の'Nuh Run Down Money'といった楽曲の数々は正真正銘のダンスホール・クラシックとなり、レーベル・カタログを華やかに彩る代表作である。これらのディージェイ陣に負けじと、バーリントン・リーヴィ(Barrington Levy)、'She Is Mine'、ガーネット・シルク(Garnett Silk)、'Seeing Zion'、デニス・ブラウン(Dennis Brown)、'Friends For Life'といった力強いヴォーカル・チューンも手掛けている。
2000年以降もルシアーノ(Luciano)、トニー・レベル(Tony Rebel)、ケイプルトン(Capleton)といったラスタ系アーティストが一連でヒットを放ったエンジェル(Angel)やルシアーノ(Luciano)の大ヒット曲、'Serve Jah'に使われたリヴァイヴァル(Revival)といったヒット・リズムを世に送り出し、精力的な活動を見せている。
2008/05/23 掲載 (2008/05/26 更新)