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レーベル特集

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Top Deck（トップ・デック）Text by Dub Store Sound Inc.

中国系ジャマイカ人、ジャスティン・ヤップ(Justin Yap)によって設立されたレーベル。スカ時代を代表するレーベルの中においても一際異彩を放ち、発表された楽曲は全てと言って良い程にクオリティーが高い。ドン・ドラモンド(Don Drummond)がセッション・リーダーを努める事が多く、彼名義の作品は群を抜いている。

Top Deck

設立	1962年
設立地	ジャマイカ　キングストン
主要スタジオ	Federal JBC Studio One
設立者	Justin Yap
プロデューサー	Justin Yap
関連アーティスト	Andy & Avalons Baba Brooks Don Drummond Freddie Nelson Jackie Opel Johnny Moore Larry Marshall Roland Alphonso Skatalites
関連レーベル	Sound Deck Tuneico

中国系ジャマイカ人である、ジャスティン・ヤップ(Justin Yap)によって設立されたレーベル。60年代のスカ・シーンを牽引したレーベルの中においても、一際異彩を放つ。彼もまた音楽へのあくなき情熱に溢れ、ジャマイカの音楽産業創世記における重要人物の一人である。実質の録音期間は短いものだったが、彼もまた他のプロデューサーと同様、スカタライツ(Skatalites)のメンバーと共に数々の質の高いセッションを記録した。彼はミュージシャンへのギャランティやレコーディングに費やす時間などに大いに労力を使い、ミュージシャンの為の食事や飲み物に至るまでのケアも怠らなかった。これはコスト意識が高いジャマイカのレコード産業において、非常に稀なことであった。彼は納得できるパフォーマンスが引き出されるまで何度でも演奏し直すことを恐れず、一切の妥協を知らなかった。その情熱によって世に名高いトップ・デック(Top Deck)の作品群が生み出される事となったのである。

ジャスティン・ヤップは1962年から、ラリー・マーシャル(Larry Marshall)やフレディー・ネルソン(Freddie Nelson)といったシンガーを録音し始めた。それらと共に彼等の最初のセッション・レパートリーであるトランペット奏者、ババ・ブルックス(Baba Brooks)の'Distant Drums'も小規模ながらヒットとなった。

そして1964年11月に行われたスタジオ・ワン(Studio One)での伝説のセッションに終結したドン・ドラモンド(Don Drummond)やローランド・アルフォンソ(Roland Alphonso)、ジョニー・ムーア(Johnny Moore)等のスカタライツのメンバーによって、素晴らしい芸術的作品が生み出された。"Confucious"や"China Town"、"Marcus Junior"、"Ringo"、"Smiling"、"Reburial"といった強烈なインストゥルメンタルたちである。トップ・デック、チュネイコ(Tuneico)、サウンド・デック(Sound Deck)といった彼のレーベルからリリースされたこれらの曲のヒットは、ジャスティン・ヤップの名をジャマイカ全土に知らしめるには十分過ぎるほどであった。

65年のJBCスタジオでのセッションにおいてもローランド・アルフォンソによるレイ・ブライアント(Ray Briant)の'VC 10(Shake A Lady) 'やジョニー・ムーア(Johnny Moore)名義のキラー・インストゥルメンタル、映画「A Shot In The Dark」のテーマ曲といった素晴らしい作品を残した。トップ・デックのセッションではトロンボーン奏者のドン・ドラモンドがリーダーを務めることが多く、ジャスティン・ヤップ自身が"マエストロ"と呼んでいることでも分かる通り、その素晴らしい才能を遺憾なく発揮している。決して譲らない個性のぶつかり合い、恐ろしいまでの緊迫感、彼等の創造した音楽はまさに一瞬の奇跡としか例えようがない。

トップ・デックからリリースされた作品群は、短い録音期間の中に凝縮されたハイ・クオリティな楽曲ばかりで、その全てが後世に残る極上のスカ・ミュージックである。

2008/02/11 掲載　（2014/04/21 更新）