レゲエコレクター.comレゲエコレクター.com
¥0 (0items)
Pass :
ID :
自動ログイン
トップ特集・オリジナルコンテンツアーティスト名鑑Wailing Souls
アーティスト特集
Wailing Souls(ウェイリング・ソウルズ)Text by Harry Hawks
この40年の間、ウェイリング・ソウルズは最も一貫して素晴らしく、またインスピレーションを与えるジャマイカのヴォーカル・グループであり続けてきた。彼らはその歌の輝きと美しさももちろんであるが、音楽を作ることを一度も止めたことがない点でとても貴重な存在である。
Wailing Souls
メンバー Winston 'Pipe' Matthews
Lloyd 'Bread' McDonald
George 'Buddy' Haye
関連アーティスト
ウェイリング・ソウルズ(Wailing Souls)は、最初、レネゲイズ(Renegades)と名乗っていたが、彼らの長い優れたキャリアのあいだ、ザ・クラシックス(Classics)、パイプ・アンド・ザ・パイパーズ(Pipe & The Pilers)また、そしてただウェイリング・ソウルとしても知られていた。彼らの曲は、"古き時代"の格言と、"田舎"の知恵と、聖書からの引用、そして流行のキングストン・ストリートのスラングらの流れるようなブレンドと、独特のリードヴォーカル、そして申し分のないハーモニーが常にかつてない最高のリズムトラックによって引き立てられている。

彼らの、"失われた魂(Lost Souls)"を復興し啓発するという決意(そのウェイリング・ソウルズという名のゆえに)を理解することにより、彼らは確実にジャマイカの全てのハーモニーの集合体の中でも最も不朽なもののひとつであるとわかる。

レネゲイズの最初のレコードは、1966年にフェデラル・レコーズ(Federal Records)の傘下レーベルであるメリトーン(Merritone)で録られた'You've Lost The Love'である。当時彼らはウィンストン'パイプ'マシューズ(Winston 'Pipe' Matthews)、ロイド'ブレッド'マクドナルド(Lloyd 'Bread' McDonald)、そしてジョージ'バディー'ヘイ(George 'Buddy' Haye)で構成されていた。けれどもそれから四年前、ウィンストンは9歳の幼い時に、スクールボーイズ(School Boys)の一員として、プリンス・バスター(Prince Buster)のもと'Little Dilly'を録音し、60年代の終わりの頃には、ウィンストンは一時的にオズワルド・ドウナー(Oswald Downer)とノーマン・デイヴィス(Norman Davis)と組んで、'Gold Digger'をロイド'マタドール'デイリー(Lloyd Daley)のもと録音している。

彼らの次の一歩はブレントフォード・ロードであり、そこではクレメント'コクソン'ドッド(CS Dodd)のもと、ドッドがプロデュースした'Back Out(With It)'と'Row Fisherman,Row'そして'Mr.Fire Cool Man'の三曲をデビュー・セッションした。クラシックスとして1970年から1971年の間、彼らはスタジオ・ワンで無類に濃密な味わいの作品を録り続け、それらは後にミスター・ドッドにより二枚の極めて重要な、ザ・ウェイリング・ソウルズとクレジットされたアルバム「The Wailing Souls(Winro Records) 」、「Soul&Power(Studio One) 」としてまとめられた。

彼らは次には、ボブ・マーリー(Bob Marley)のタフ・ゴング(Tuff Gong)レーベルで働き、そこでは、さらにピーター・トッシュ(Peter Tosh)とバニー・ウェイラー(Bunny Wailer)のリハーサルに立ち会い、またジャマイカのナンバーワン・ヒットである'Trench Town Rock'を含んだボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley & The Wailers)のヒット・レコードのいくつかでバッキング・ヴォーカルをつとめた。彼ら独自の極めて重要なタフ・ゴングの7インチ・シングルである、'Harbour Shark'と、'You Should Have Known Better'とも呼ばれている'Back Biter'や、もっと世に知られていないレーベル、デル・プラド(Del Prado)から出た'Wicked A Dread'等は、パイプ&ザパイパーズとしてクレジットされている。

"ブラザー"ジョー・ヒッグス(Joe Higgs)はウェイリング・ソウルズの指導者であった。それはトレンチタウンでの彼らの若き日の頃からであり、音楽的なこと、さらにミュージック・ビジネスへの謀反(むほん、反逆の意)をたくらむことを教育していた。彼らはいまだにジョーを'マエストロ'と呼んでいる。ジョーは彼らにアッタラ(エチオピア語で清めることの意)として一時的に参加し、とても魅惑的な'Brimstone And Fire'を録り、それはジョーにより創られプロデュースされ、ピート・ウエストン(Pete Weston)のマイクロン(Micron)によりリリースされたが、ジョーはその時ジミー・クリフ(Jimmy Cliff)と共にアメリカ・ツアーに去っていってしまった。

ブラック・ウフル(Black Uhuru)のルドルフ'ガース'デニス(Rudolph 'Garth' Dennis)は、1976年にザ・ウェイリング・ソウルズに加入し、その特異な4パートのハーモニーは彼らのサウンドに深みを加えた。ガースは彼らと10年を共にしている。

フーキム兄弟(Joseph Hookim)のチャンネル・ワン(Channel One)レコーディング・スタジオは、1972年に悪名高いキングストン13地区の中心部のマックスフィールド・アヴェニュー29番地にオープンした。そして1976年、トレンチタウンのある共通の友人がウェイリング・ソウルズにジョセフ'ジョー・ジョー'フーキムを紹介した。彼らは常に特定のプロデューサーと関係を築き、一回限りのレコーディングよりもシリーズ(連続して、ひと続きの)として曲を共に作る方を好んでいた。彼らの音楽を作る際のプロフェッショナルな取り組みの方法(アプローチ)はチャンネル・ワンに完璧に合っていた。それはジョー・ジョーに彼らはいつも前もって完璧に歌とハーモニーのパートが完成されてからスタジオに来てセッションをしていたと思い起こさせていたほどだった。彼らのジョー・ジョーのもとでの最初のレコーディングは'Back Out(With It)'のアップデート・ヴァ―ジョンで、"Things And Time"という名のリズム・トラックだったが、ジャマイカン・ヒットパレードですぐにナンバーワン・ヒットとなった。 フーキム兄弟はジャマイカで初めて12インチの'ディスコ・ミックス'シングルをリリースし、ウェイリング・ソウルズはすぐにこの最新のフォーマットにフィットする曲を作った。彼らの最初の12インチレコード'War'にはランキン・トレヴァー(Ranking Trevor)も'Fire Mus Mus Tail'で参加しており、ヴォーカルが終わった後に続くたくさんの空間に美しいリズムを与えた。そして、'Very Well'はモンスター・ヒットとなった。キングストンやロンドン、そしてニューヨークのサウンドシステムらはこの名高い曲をかけるために次々にダブプレートをカットするのを競い合うほどだった。

現在、ジャマイカの再上級のヴォーカルグループとしてしっかりと認められたザ・ウェイリング・ソウルズは、彼ら自身でマッシブ・レーベル(Massive)を立ち上げるため、ジョージョーのもとを離れたが、にもかかわらず、彼らはチャンネル・ワン・スタジオと、レヴォリューショナリーズ(The Revolutionaries)のハウスバンドを彼ら自身の創作に使い続けた。'Feel The Spirit'と'Bredda Gravalicious'は1977年と1978年にマッシヴ(Massive)からの大ヒットとなった。二曲ともに収録されたアルバム「Wild Suspense」はジャマイカではマッシブ、そしてアイランド(Island)とマンゴ(Mango)から世界中いたるところでリリースされ、ついにグループに長い機が熟し、彼らが十分に受けるに値する国際的な注目をもたらすこととなった。

元レヴォリューショナリーズであるスライ&ロビー(Sly & Robbie)の80年代初期の二つの大ヒット曲、'Old Broom'と'Sugar Plum Plum'は、彼らのレーベル、タクシー(Taxi)からリリースされたが、これらは、初期ダンスホール時代の鍵を握る作品である。ザ・ウェイリング・ソウルズは巧妙に彼らのスタイルをルーツ・ラディックス(Roots Radics)の原点回帰的な音楽的襲撃に適合するように改造し、その抜きの多いサウンドは、ダンスホール・スタイルと、次に起こったデジタル・レヴォリューションとのギャップをつなぐ橋渡しとして成功した。

ヘンリー"ジュンジョ"ロウズ"(Henry 'Junjo' Lawes)がプロデュースしリリースした'Fire house Rock'や'Kingdom Rise Kingdom Fall'は、彼らの極上の歌が、激しさと同時に輝かしさのあるリズムにマッチした。グリーンスリーブス(Greensleeves)から国際的にリリースされたジュンジョのための一連のシングルとアルバムに加えて、グループはまた、リンヴァル・トンプソン(Lival Thompson)のためにショーケース・スタイルの非常に優れたロング・プレイセットを創り、その'Wailing'はジャー・ガイダンス(Jah Guidanceとグリーンスリーブスから、そして数枚のアルバムをデルロイ・ライト(Delroy Wright)のレーベル、リヴ&ラーン(Live & Learn)からリリースした。10年の経過の間、グリーンスリーブスは彼らが自身でプロデュースした二枚の素晴らしいアルバム「On The Rocks」と「Stranded」をリリースした。ウェイリング・ソウルズはジャマイカのデジタル・レヴォリューションに取り残されることはなく、キング・ジャミー(Lloyd James)がプロデュースしたシングル'Dog Bite'はかなりの大ヒットとなった。ジャミーのよって録られた見渡せる内容のアルバム「Stormy Night」は、アメリカでロヒット(Rohit)からリリースされたが、その面白みのないジャケットときちんとしたプロモーションの欠如にも関わらず、芸術的な大勝利を得た。

ウェイリングソウルズは現在、パイプとブレッドで構成され、南カリフォルニアを拠点にしているが、1992年にソニー(Sony)と契約し、「All Over The World」をリリースした。このアルバムはアメリカのスタジオにおける最新の技術をフルに使用し、'shark Attack'がアルバムから選り抜かれ、カオス(Chaos)から7インチシングルでリリースされたが、それは、かつてウェイリング・ソウルズがレコーディングしたいずれの曲とも変わらず素晴らしいものである。次の年にはこのアルバムはグラミー賞にノミネートされた。1988年には彼らはポウ・ウォウ(Pow Wow)から「Psychedelic Souls」をリリースしたがこの曲はザ・フー(The Who)の'My Generation'とザ・ビートルズ(Beatles)の'Tomorrow Never Knows'を含む60年代のロックのカヴァーをフィーチャーしたものだった。全く対照的に、パイプとブレッドはそれから2003年にスタジオ・ワンからのアルバム「Square Deal」のリリースにより彼らのルーツ(原点)への目を見張るような帰還を果たした。それは即席のブランニュー・クラシックであり、新しいウェイリング・ソウルズの曲と、カールトン・アンド・ザ・シューズ(Carlton & The Shoes)の'Love To Share'とウェイラーズの'I Stand Predominate/Predominant'といった永遠なるスタジオ・ワン・リズムとのブレンドにより創られたものだった。これは単なるノスタルジアの演習ではなく、ウェイリング・ソウルズの音楽が不朽のものであるということを、その魅力によって証明されている。

ウェイリング・ソウルズを、その時々の流行を追随していると非難することはけしてできない。彼らは常に毎回リズムの向こう側に彼らのメッセージを伝えることと、そのため彼らの音楽がいずれの多様なアプローチに対しても開かれ続けることを目的として意識している現実主義者なのである。過去40年の間、彼らはどのような伝達手段を用いたとしても、それは彼らのメッセージを理解させることに必要であったのだ。愛と平和、正義と真実は気まぐれなスタイルの主題ではなく、彼らのメッセージは変わらず至る所に存在している。

彼ら以外のどんな声よりも、聴かれることを必要とされなければならない限り、ジャマイカン・ハーモニーの歌の伝統はこれからも続き、価値のあるものであり続けるだろう。
2010/11/05 掲載 (2012/11/07 更新)
Copyright (C) 2024 Dub Store Sound Inc.
無断転載は固くお断りしております
関連タイトル
B side) Gravalicious
¥9,800
試聴する
Wailing Souls - Shark Attack(Chaos)EX/SEW/SOL/marks/stain
¥9,800
試聴する
B side) Fool Will Fall
¥9,800
試聴する
Wailing Souls - Back Out(Hit Bound)VG++/SEW/stamp/h.edge crack
エッジ部分が横に2センチほど欠けていますが、溝にはかかっておりません。
B side) Revolutionaries - Version
¥600
試聴する
両面のエッジに目立つ曇りがあります。
B side) Jah Mike - Take A Taste
¥800Sold Out! 試聴する
B side) Gravalicious
¥2,980Sold Out! 試聴する
B side) Version
¥4,800
試聴する
>>アーティスト: Wailing Soulsの全在庫商品を見る