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トップ特集・オリジナルコンテンツアーティスト名鑑Burning Spear
アーティスト特集
Burning Spear(バーニング・スピア)Text by Jeremy Collingwood
ウィンストン・ロドニー、通称バーニング・スピアーはレゲエにおいて数少ない往年のリーダーとしてその地位に立つ。現在もツアーや楽曲のリリースを続けるだけでなく自身のレーベルやウェブサイトの運営も行っている。有名な預言者によるチャント・ボーカルは旧約聖書の深いメロディーと共鳴する。1970年代後期、彼はボブ・マーリーと同様に注目され、多くの人は有名なLyceumで行われたボブ・マーリーのライブ・コンサートの前に同所で開催されたバーニング・スピアーのUK公演を高く評価している。
Burning Spear
本名 Winston Rodney
出生 1948年
出身地 ジャマイカ セント・アンズ 
関連アーティスト
ロドニー(Winston Rodney)は1948年、第二次世界大戦が終戦後にセント・アンズ・ベイに生まれ、1969年に音楽界入りした。彼のグループだったバーニング・スピアー(Burning Spear)はケニア大統領、かつてマウ・マウ団(イギリス植民地だったケニアで1952年から1960年に起こった独立運動)を率いたジョモ・ケニヤッタの別称に由来した。

ボブ・マーリー(Bob Marley)の紹介があって、ロドニーはクレメント・ドッド(CS Dodd)のスタジオ・ワン(Studio One)と契約、Supremeからのデビューシングル'Door Peep'は個人主義のキャリアの方向性を決定づけるもので、スピリチュアルな要素に溢れた楽曲は厳格さを物語った。大半のレゲエとは対象的で、ありのままを表現する同様のシングル盤が発表された。それらに'Free Again'や'Zion Higher'(両楽曲ともスタジオ・ワン"Supreme"からのリリース)に挙げられるが、いつも商業的なアプローチが多かったドッドもバーニング・スピアーの録音は続け、これらの楽曲から評価を得た。ウィンストン・ロドニーはガーヴィー主義の信念やラスタファリアンとしての信仰を自身の歌すべてに注ぎ込んでいた。

それから数年'This Population'(Bongo Man)、'Foggy Road'(Coxsone)、'Cration Rebel'(Coxsone)といった楽曲が彼のキャリアを少しながらに固め、断固たる支持を得ていった。これらのシングルはイギリスでリリースされ、アルバム「Presenting Burning Spear」、「Rocking Time」の2作をドッド氏のために録音、これらの作品は彼の独特な音楽のリスナーを見つけるための大きな役割を果たした。

スタジオ・ワンで出会った仲間と同じくスピアーは1975年、北海岸のオーチョリオスを拠点にするプロデューサー兼サウンドシステムのオペレーター、ジャック・ルビー(Jack Ruby本名Lawrence Lindo)とレコーディングを開始。ハーモニーにルパート・ウェリントン(Rupert Wellington)とデルロイ・ハインズ(Delroy Hines)を、パワフルなホーン・セクションにはヴィン・ゴードン(Vin Gordon)、リチャード'ダーティ・ハリー'ホール(Richard 'Dirty Harry' Hall)、ボビー・エリス(Bobby Ellis)、ハーマン・マークイス(Herman Marquis)をフィーチャー、彼らはスピアーの音楽にさらにドレッドな音を与えた。多くのアーティストがキングトンを拠点に持つ中、西洋社会のメインストリーム市場に自身の音楽を持ち込み、物静かに革命を起こそうとしていた。

ジャック・ルビーを新たなパートナーに迎え発表した最初のシングル2曲、'Marcus Garvey'と'Slavery Days'は自身の権利下でヒットしただけでなく、アルバム「Marcus Garvey」はスピアーに国際的なステージへの飛躍をもたらした。ロドニーとルビーはテーマを徹底したアルバムに微妙なリミックスを施し、イギリスの音楽好きの注目を集めた。アイランド(Island)から発表されたこのアルバムは黒人史、ガーヴィーによる預言、ジャマイカのゲットーにおける考え、そして重要なラスタファリアンとしての信仰を音楽の中心に置き、彼を象徴する要素となった。今日もそのアーティスト像は変わらない。ボブ・マーリーのようにラブ・ソングやポップ・ソングはなく、バーニング・スピアーの音楽は宗教的社会的真意にあった。このボーカル・アルバムのダブだけを収録した「Graveys Ghost」もすばらしい必聴盤である。

2人が次に発表したアルバムは「Man in The Hills」でロドニーが選んだ田舎での生活が映し出され、アイランドからのリリースで彼の地位はさらに大きくなっていった。1977年の「Dry and Heavy」ではハーモニーのルパート・ウェリントンとデルロイ・ハインズやプロデューサーのジャック・ルビー不在ながらも、ハリーJ(Harry J)スタジオで往年のスタジオ・ワン楽曲をセルフカバーしすばらしい結果となった。この頃には、ボブ・マーリーと同じく注目を浴びていた彼の伝説のライブ"Rainbow"公演もあってか彼のスター性はボブ・マーリーの優位あったほどだ。しかし、ボブのライブ・アルバムのように1977年のライブ・アルバムはパフォーマンスの力強さを伝えることが出来ずアイランドとの関係に終止符が打たれた。

1978年にワン・ストップ(One Stop)からリリースされた「Social Living」には'Marcus Say Jah No Dead'、'Institution'、'Marcus Children Suffer'といったヒット曲が収録され、バーニング・スピアーの誠実さと信念が100%で届けられた。このアルバムはキングストンの一流ミュージシャンだけでなく、イギリスの新たなスターに加わったアスワド(Aswad)もフィーチャーされた。イギリスではサウンドシステム用にこのアルバムの楽曲がミックスされた盤が存在し、公式なリリースはないものの、1970年代後期イギリスにおけるサウンドシステムの文化に重大な一枚として刻まれている。

1980年にはボブ・マーリーのタフ・ゴング(Tuff Gong)で録音された傑作「Hail H.I.M」がEMIからリリースされ、制作にはアストン'ファミリーマン'バレット(Aston ‘Familyman’ Barrett)が加わった。'Cry Blood Africa'や'Columbus'といった楽曲はスピアーの評価をディープ・ルーツ・ミュージックのリーダーとして明確にした。さらに過小評価されているシルヴァン・モリス(Sylvan Morris)による「Social Living」と「Hail H.I.M」のダブを収録した「Living Dubs Vol I」と「Living Dubs Vol II」が発表された。

1980年代を通してツアーや質の高いルーツ・アルバムのリリースを重ねていった。1984年には「Resistance」。1986年には「People Of The World」。彼は成長と遂げるイギリスのWOMADなどフェスティバルやイベントに果敢に参加した数少ないレゲエ・アーティストで、往年のファンから新たに開拓したファンに一流のパフォーマンスを披露した。

こういった活動は1990年代も続き、1997年に参加したWOMADでの公演がライブ・アルバム化され、他にも新曲、回顧集、再発盤が発表されている。この中でもスタジオ・ワンの音源を収録したハートビート(Heartbeat)の「Creation Rebel」、ソウル・ジャズ(Soul Jazz)の'Sounds from Burning Spear'、シングルだけをコンパイルしたすばらしいプレッシャー・サウンズ(Pressure Sounds)の「Spear Burning」には目を向けて欲しい。

「Live in South Africa 2000」 (Burning Music)ではネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)の解放と南アフリカ共和国の民主選挙を祝ったコンサートでの姿を捉えている。さらに2000年「Calling Rastafari」や2009年には「Jah is Real」で2度のグラミー賞獲得を果たした。

他のレゲエ・ミュージシャンとは違い、市場の変化に対応し今も自身の事業を"burningspear.net"で展開している。スピアーがたどった道はジャマイカ人アーティストにとっては独特で、彼は揺るぎない自身の道を守っている。キングストンの音楽シーンに飲み込まれることはなく、彼は高くそして力強くその地位を保ち音楽活動を続けている。

2019/05/17 掲載
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