Moodisc(ムーディスク)Text by Dub Store Sound Inc.
他レーベルとは一線を画す都会的なサウンドでレゲエ・ファン以外からも絶大な支持を受ける老舗レーベル。
Moodisc
設立地 |
ジャマイカ |
主要スタジオ |
Harry J Studio |
設立者 |
Harry Mudie |
プロデューサー |
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エンジニア |
Harry Mudie King Tubby Sylvan Morris |
関連アーティスト |
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スパニッシュ・タウン出身のプロデューサー、ハリー・ムーディー(Harry Mudie)はイギリスで電気や映像を学んだ経験を持ち、自身のサウンドシステム、ムーディーズ・ハイ・ファイ(Mudies Hi-Fi)を運営していた。彼の数十年に及ぶキャリアの始まりは、伝説のラスタ・ドラマー、カウント・オジー(Count Ossie)の"Babylon Gone"や"So Long"で、これらはイギリスのブルー・ビート(Blue Beat)から発表された。また、ムーディーは69年に地元スパニッシュ・タウンでナイト・クラブの経営を開始し成功を収めている。
その後、自身のレーベル、ムーディスク(Moodisc)を設立した彼はグラッドストーン・アンダーソン(Gladstone Anderson)を中心としたスタジオ・バンドを結成、アフロ(Afro)、ジャングル(Jungle)、ジュークボックス(Jukebox)などの系列レーベルも設立し、現在でも人々を魅了し続ける名曲の数々を発表した。
レゲエにストリングスを起用したパイオニアと言われる彼はヘヴィーなサウンドが主流だった70年代のジャマイカに新風を巻き起こした。その代表作であるジョン・ホルト(John Holt)の「Time Is The Master」は多数の名アルバムを持つ彼の作品の中でも特に評価の高い作品といえる。
他にも、デニス・ウォークス(Dennis Walks)の'Drifter'、'Margaret'、エターナルズ(Eternals)の"Push Me In The Corner"、ジョン・ホルトの"It May Sound Silly"、エボニー・シスターズ(Ebony Sisters)の"Let Me Tell You Boy"などが同レーベルのヒット曲に挙げられる。また、グラッドストーン・アンダーソンやジョ・ジョ・ベネット(Jo Jo Bennett)などによるインスト作品、ビッグ・ジョー(Big Joe)やIロイ(I Roy)によるDJ作品も秀作が多い。そしてキング・タビー(King Tubby)がミックスを手掛けた「Dub Conference」シリーズは70年代に作られた数多くのダブ・アルバムのなかでも特に重要な作品として知られている。
これらムーディスクからの音源の数々はアメリカ盤などの高音質な再発盤が多数リリースされており、初期のカウント・オジーの作品から70年代の作品まで気軽に聞くことができる。
2007/09/14 掲載 (2014/04/21 更新)