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アーティスト特集

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Barry Brown（バリー・ブラウン）Text by Dub Store Sound Inc.

ルーツ期から初期ダンスホール期にかけて活躍したシンガー。

Barry Brown

出生	1962年
死没	2004年5月29日
出身地	ジャマイカ　キングストン
関連アーティスト	Jah Thomas Johnny Clarke Linval Thompson

70年代から80年代初頭のアーリー・ダンスホール期にかけて活躍したシンガー。ジャマイカ音楽史に輝く偉大なレジェンドとして多くのヒット作を残し、様々なレーベルで活動を行った。

彼はグリーンウィッチ・タウンで若い頃からバニー・リー(Bunny Lee)のスタジオに出入りし、ミュージシャンに食事を運んだりといった雑用をこなしたバリー・ブラウン(Barry Brown)。その傍らスタジオについて学び、自らも録音機会を伺っていた。

70年代を迎えるとジョニー・クラーク(Johnny Clarke)、リンヴァル・トンプソン(Linval Thompson)と並んでバニー・リーの元ヒット曲を排出し、'Girl You're Always On My Mind'で初録音を果たすと、'Step It Up Youthman'、'No Wicked Shall Enter The Kingdom OF Zion'や'Politician'といった代表作を次々と発表した。

また彼は当時人気のあったシュガー・マイノット(Sugar Minott)やロッド・テイラー(Rod Taylor)の様にスムースな歌声では無く、シンプルでダイレクト、リアルな感情を表現する生々しさが特徴であった。

70年代はバニー・リーに加え、キング・タビーズ(King Tubby)やランディーズ(Randys)といったスタジオにも出入りし、正確な時期は不明であるが、ロッド・テイラー、ジョニー・リー(Johnny Lee)と共にエイリアンズ(Aliens)を結成し活動したこともあった。

そして1978年チャンネル・ワン(Channel One)からリリースされた'Far East'はキャリア最高傑作として名高く、後々までリメイクされ続けるファウンデーション・チューンとなった。

80年代初頭のアーリー・ダンスホール期は彼の活動に大きな実りをもたらし、リンヴァル・トンプソン、ウィンストン・ナイニー・ホルネス(Winston 'Niney' Holness)、シュガー・マイノット、ヘンリー・ジュンジョ・ロウズ(Henry 'Junjo' Lawes)といった名のあるプロデューサーの元で多数の録音をおこなった。中でも1983年、コクソン・ドッド(CS Dodd)のスタジオ・ワン(Studio One)からの'Far East'は自身の代表作を再演して大ヒットを記録した。

その後はイギリスのジャー・シャカ(Jah Shaka)とも活動を共にし、ニュー・ルーツの分野でも作品を発表した。

1990年頃からは体調を崩し、喘息と薬物問題を抱えていたとされる。彼は2004年の5月、キングストンのレコーディング・スタジオ、ソーン・ウェーヴス(Sone Waves)で倒れ、頭部を強く打ちこの世を去った。

2018/10/17 掲載