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トップ特集・オリジナルコンテンツアーティスト名鑑Anthony Red Rose
アーティスト特集
Anthony Red Rose(アンソニー・レッド・ローズ)Text by Dub Store Sound Inc.
独特の歌唱スタイル、"アウト・オブ・キー"で人気を博したシンガー。プロデューサーとしても活躍し、多くのヒット作を生んだ。あのテリー・リネンの一連のヒット作は彼が手がけた物である。
Anthony Red Rose
本名 Anthony Cameron
出生 1962年
出身地 ジャマイカ キングストン ウェスト・インディーズ
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80年代から活躍を続けるアンソニー・レッド・ローズ(Anthony Red Rose)は1980年代半ば、コンピュータライズド・ブームの最中、テナー・ソウ(Tenor Saw)やニッティ・グリッティ(Nitty Gritty)等と共に、"アウト・オブ・キー"と呼ばれる、わざとキーを半音ずらして歌う歌唱法を旨く取り入れ人気を博した。レッド・ローズという名前の由来であるが、少年時代の彼は潔癖と言える程の極度の綺麗好きで、いつも綺麗なバラのような格好をしていたことからそう呼ばれるようになったと言う。シンガーとしての彼のキャリアは皆がご存知の様にもちろん素晴らしい物であるが、作曲家、プロデューサーとしても超一流の仕事をこなしている。あのテリー・リネン(Terry Linen)の成功は彼の手腕による所が大きい。

ミュージシャンとしての彼のキャリアもまたサウンド・システムから始まった。12歳からサウンドシステム、サー・ダンカン(Sir Duncan)で活動を始めた彼だったが、当初はなかなかマイクを握らせてもらえず、スピーカー・ボックスの組み立て、運搬等の雑用をこなしながらチャンスを伺っていた。そんな彼を一躍有名にしたのがキング・タビー(King Tubby)のレーベル、ファイヤーハウス(Firehouse)からの一連の作品群であった。ファイヤーハウス版"Sleng Teng"に乗せた'Under Mi Fat Thing'はイントロの抜き差しから一気に迫り来るパワフルなチューンで、キング・タビーの弟子達による破壊力満点のミックスは完全なるサウンド・システム使用である。

もう一つの傑作、彼とファイヤーハウスのキャリアを決定付けたのが、85年の'Tempo'である。当時隆盛を極めたコンピュータ・トラックのアップ・テンポでグルーヴィーなサウンドとは異なる、深く沈み込む様なマイナー調のこのリズムは、攻撃的なミックスと彼の"アウト・オブ・キー"唱法で大ヒットを記録。新しいダンスホールの定番となった。アンソニー・レッド・ローズはその後もキング・タビーの元から'Old Pan Bangarang'や'Worries Again'、'Can't Knock Me'といった強力なチューンをリリースし、確実にトップ・アーティストの仲間入りを果たした。

業界で順調にキャリアを積んだ彼はプロダクション・ワークにも力を入れる様になる。マイキー・ベネット(Mikey Bennett)率いるトゥー・フレンズ(Two Friends)プロダクションで他のアーティストへの楽曲提供等、様々な活躍をみせる。こうした活動に伴い表立った露出は少なくなっていったが、ジャミーズ(Jammys)、ブラック・スコーピオ(Black Scorpio)、ミキシング・ラブ(Mixing Lab)といったレーベルから、クオリティーの高い楽曲を定期的にリリースしていった。

その後アンソニー・マルヴォ(Anthony Malvo)とレーベル、ハウ・ユ・フィ・セイ・ダット(How Yu Fi Sey Dat)を設立。自身の楽曲、'Ganja Man'や、アンソニー・マルヴォ、ジョジー・ウェールズ(Josey Wales)のコンビネーション、'Sensie'といったヒットを世に送り出した。またビーニ・マン(Beenie Man)やマッド・コブラ(Mad Cobra)、デリー・ランクス(Delly Ranks)、ハリー・トドラー(Harry Toddler)といったアーティストの作品も手がけた。しかしプロデューサーとしての最大の成功は長いブランクのあったテリー・リネンを見事に復活させ、いまや押しも押されぬトップ・アーティストへと押し上げたことであろう。日本でも特に人気の高い、レーベル、ラガディー・ジョー(Raggedy Joe)からの作品はアンソニー・レッド・ローズが手がけた物である。

アーティストとしての活動からは遠ざかってしまった彼だが、プロデューサーとしの活躍は現在も目覚しい。テリー・リネンは彼の元から素晴らしい楽曲を発表し続けており、まさに盟友といった良好な関係を築いている。アーティスト、プロデューサー、その両方で大きな成功を収めた数少ない人物である。

2008/04/08 掲載 (2013/11/27 更新)
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