Tarrus Riley（トーラス・ライリー）Text by Dub Store Sound Inc.
ジミー・ライリーの息子としても有名なトーラス・ライリー。オリジナリティー溢れる優しい歌声と、メッセージ性のあるリリックで魅了する実力派シンガー。
Tarrus Riley
| 本名 | Omar Riley |
| 出身地 | アメリカ ニューヨーク ブロンクス |
| 関連アーティスト |
ニューヨークのブロンクスで生を受け、マイアミの高校を卒業した彼は、その後父親のレーベル、ラブ・プロモーション(Love Promotion)で活動を開始する。80年代のダンスホール期に多感な少年時代を過ごした彼は、当初ディージェイを志していた。へヴィー・ビート(Heavy Beat)やメイン・ストリート(Main Street)で活動し、そこで経験を積みながら、平行してキーボードやケテ・ドラム、ボンゴ・ドラム、コンゴ・ドラムといったパーカッションを勉強していった。これらは全て独学である。こうした楽器と触れ合うにつれ、自身の音楽を追及していった彼はシンガーへの転向を決意するに至る。この際、母親や友人の助言も大きなきっかけとなった。彼の優しく包み込む様な歌声は明らかにシンガーとしてその真髄を発揮しうる物であっただろう。
こうして発表された2004年にヤ・マン(Ya man)レーベルからリリースされたファースト・アルバム、「Challenges」に収録された、'Larger Than Life'、'Barber Chair'といった楽曲が注目され始め、彼のキャリアは一気に加速していった。2006年にはディーン・フレイザー(Dean Fraser)プロデュースの元、ハーフ・パイント(Half Pint)の'Political Fiction'のリメイク・リズムで'Beware'、純粋な愛を歌ったストレートなラブ・ソング、'Stay With You'をカップリングでリリース、同年には同じくディーン・フレイザーの全面サポートの元、セカンド・アルバム、「Parables」を制作。この作品ではモラルや宗教的教えをシンプルなストーリーに仕立てた。プロダクション、マネージメントも手掛けるディーン・フレイザーとは非常に良好な関係を築き、それはサウンド面にも如実に現れている。
アルバムのヒットを受けてのシングル・カット、'She Is Royal'も大ヒットを記録し、2008年のReggae Academy Awardsにおいてベスト・ソング賞を受賞した。
その後もファット・アイズ(Fat Eyes)からの'Protect Your Neck'や、レーベル、タクシー(Taxi)でジミー・ライリーとの親子共演を果たした'Pull Up Selector'、ドン・コーレオン(Don Corleon)からは'Far Away'、'Back Bitter'といった形で活動の幅を広げている。
シンガーの父、看護婦の母の間に生まれたトーラス・ライリーの音楽は、その生い立ちにかけて"Healing Music"と形容される。この思慮深く謙虚なアーティストの元から発せられるメッセージは多くのリスナーの心を掴み、今後の更なる活躍が期待されている。アーティストとしての活動以外にもノン・バイオレンス・キャンペーン、"Start Anew"を企画、このキャンペーンを通して非暴力を訴えている。
2009/02/13 掲載 （2013/11/28 更新）
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