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トップ特集・オリジナルコンテンツアーティスト名鑑Heptones
アーティスト特集
Heptones(ヘプトーンズ)Text by Harry Hawks
ロックステディやレゲエに興味を持った人なら誰でも、ヘプトーンズを認知し、彼らの音楽が好きだろう。最高のジャマイカ人コーラス・トリオの一組であった彼らからなぜクロスオーバーの成功が遠ざかったのか、申し分のない彼らの作品からは想像がつかない。
Heptones
メンバー Leroy Sibbles
Earl Morgan
Barry Llewelyn
活動期間 1965年 ~
結成地 ジャマイカ  
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ジャマイカで最も有名で影響力をもつヴォーカル・トリオ、リロイ・シブルス(Leroy Sibbles)は溶接工として、バリー・ルウェリン(Barry Llewellyn)はメカニックとして、そしてアール・モーガン(Earl Morgan)は新聞を売って生計を立てていた。ヘプトーンズ(Heptones)は当初アールとバリーにより50年代後期にキングストンのトレンチ・タウンのゲットーで結成された。60年代中期、街角で行われていた歌のコンテストで別グループのリード・シンガーだったリロイ・シブルスと出会い、この2つのグループは街角で行われていたコンテストで対決をした。リロイはアールとバリーに感銘を受け即座にグループ入りを申しで、リロイはグループのリード・シンガーになったのだがバリーとアールもリードをとっていた。この多彩な変化は彼らのサウンド全体に満ち溢れている。

パイオニアーズ(Pioneers)のシドニー'ルディ'クロックス(Sydney 'Luddy' Crooks)はスカタライツ(Skatalites)の地方巡業のマネージャーであり、カールトン(Carltone)を主催するケン・ラック(Ken Lack)にヘプトーンズへの興味を引かせ、彼らは1966年にデューク・リード(Duke Reid)のトレジャー・アイル(Treasure Isle)スタジオでカールトンのために4曲録音し、彼らの最初のリリース'Gunmen Coming To Town'と題したロッシーニ(Rossini)の'William Tell Overture'のカバーはこの独特のトリオがこれから先他の誰の影響も受けないといういう事をうかがわせる曲だった。カールトンのための次のレコード'I Am Lonely'は当時発売されたとき大ヒットはしなかったものの、30年後イギリスで最も高値で価値があるレコードになった。

1966年、コクソン(CS Dodd)主催のオーディションの際ボブ・アンディ(Bob Andy)、ケン・ブース(Ken Boothe)、ホレス'B.B.'シートン(Horace 'B.B.' Seaton)が審査委員を務め、このエキスパートたちの審査に合格した彼らは次の5年間をブレントフォード・ロードですごした。彼らの最初のヒット、きわどい歌詞の'Fatty Fatty'はラジオではかけられないほどわいせつだと言われた。

「ラジオ局のやつらはあの曲をジャマイカで禁止したが、みんなは聴きたがったものさ。そしてジャマイカのベストセラーの一つになったんだ」アール・モーガン

彼らはすぐにスタジオ・ワン(Studio One)の必要不可欠なグループになり、彼らの音楽がスタジオ・ワンに多大に貢献したといっても過言ではない。リロイはタレントのスカウトとセッションの時のベース奏者としても雇われ、バリーは同じくセッション・ミュージシャンとして、アールはハーモニーを歌いレコードのプレス工場でも働いた。リロイ・シブルスは数え切れないほど作曲をし、リスナーたちはわずかに女性に対し嫌悪感を抱いたが、本当の隠された感情を彼らに届けた。ロックステディがレゲエに変わる頃、彼の飛び切り上等なラブソングの数々は真実と権利についての歌になり、彼の思想に富んだ歌詞は黒人の人権問題一色になった。

またリロイは飛びぬけて才能のあるミュージシャンであり、彼のベースラインはどんなに違うアレンジが加えられようと充分にメロディックだった。そのうちの多くはのちにどこでも聴かれるようになり、'Give Me The Right'、'Party Time'、'Sweet Talking'、'Why Did you Leave'のリズムは何度も何度も繰り返し使われている。あまりにもたくさんではあるが、いつもプロ意識の高い彼らの作品はスタジオ・ワンからリリースされた申し分のない4つのアルバム「The Heptones」、「On Top」、「Freedom Line」、「Black Is Black(またのタイトルを「Ting A Ling」)」で聴くことができる。これらには彼らの最高級の作品が多数含まれているが、他の名曲は7インチのみのリリースやコクソンのコンピレーションLPにも収録されている。

「コクソンのところを離れた後に俺たちを必要とするならどこでも行くって言っていろんなプロデューサーのところを転々としたんだ。本当にたくさんのプロデューサーたちのために働いたな」アール・モーガン

1971年にヘプトーンズはスタジオ・ワンを離れ、自由の身になった彼らはコクソンの音楽学校で学び合格したキングストンの多数のレコード・プロデューサーたち、新しい世代のレコード・プロデューサーやアーティストたちの下で録音をした。彼らは最初ジョー・ギブス(Joel Gibson)の下で'Be The One'と'Hypocrite'をヒットさせ、彼らがレコーディングしたほとんどのプロデューサーの下でスタジオ・ワンの在籍時の時にヒットさせた曲を流行のスタイルで再演した。爆発するほどの創造力でランディーズ(Randys)のクライブ・チン(Clive Chin)のために'My Guiding Star'を、ジェフリー・チャン(Geoffery Chung)のために'I Miss You'を、ルーピー・エドワーズ(Rupie Edwards)のために'My Conversation'のリズムに乗せた'Give Me The Light'を、オーガスタス・パブロ(Augustus Pablo)のために'Love Won't Come Easy'を、そしてフィル・プラット(Phil Pratt)のために'Party Time'と'Swept For You Baby'を録音した。ヘプトーンズがカバーした曲や再演などは全てにおいて必ず彼ら独自の感情や繊細さを持っている。

1973年リロイはカナダに移住したが3年後にジャマイカに帰郷し、彼らはリー'スクラッチ'ペリー(Lee Perry)とハリー'ハリー J'ジョンソン(Harry Johnson)と活動を始める。'Sufferers Time'などの曲は皆が将来に不安を抱いていた当時に共鳴し、アップセッター(Upsetter)のための録音は彼の深くかき回すようなリズムに、彼らの舞い上がるようなハーモニーが対立した曲に仕上がった。1976年リー・ペリーがプロデュースした「Party Time」はアイランド(Island)により世界中で発売され、それに続くハリー J(Harry J)の「Night Food」は痛烈な'Country Boy'という曲を含むにも関わらず、より普通さの残る作品だった。遅ればせながらこの2つのアルバムはヘプトーンズの音楽をさらに広い範囲のオーディエンスに知らしめる手助けをしたが、同年アイランド・レコーズによって企画されたボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Wailers & The Wailers)、メイタルズ(Maytals)とのツアーの最中リロイはグループを脱退し、ソロ活動に力を入れた。

「もしリロイがいなくならなければ俺たちはもっと有名になれたんだけどな...」アール・モーガン

リロイの離脱後ドルフィン'ナゴ'モリス(Dolphin 'Naggo' Morris)がリード・ヴォーカルをとったが、少しの例外はあるものの、彼らのレコードの売れ行きは以前のように伸びなかった。バリーとアールは90年代早期にリロイとグループを再結成し、ヘプトーンズは活動を続けながらレコーディングをし、メッセージを伝え続けている。

「ヘプトーンズは1人では成り立たない。3人いてこそのヘプトーンズだ」アール・モーガン

バリーとアールはリロイのリード・ヴォーカルとのギャップを埋める以上の働きをし、2人ともヘプトーンズにとって重要な貢献を果たした。アールの'Pretty Looks Isn’t All'はレゲエが聴かれる限り名曲の一つとして認知され続けるだろう。

ヘプトーンズは他が彼らの様になりたいと熱望し、彼らと自分たちの作品を比較するような基準を作ったのは確かだ。60年代と70年代のロックステディとレゲエ期に次々にヒットを放ったことに対する栄誉を今さら授けるような見直しは彼らにとっては必要ない。国際的なスターの領域に達したボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Wailers & The Wailers)とバーニング・スピアー(Burning Spear)と同じ道を辿っていたように見えたのは否定できないが、そうではなかった。ジャマイカ音楽好きの間では彼らの人気は絶大だが、幅広いオーディエンスたちには比較的認知されていない。彼らはジャマイカで最も成功を収めたハーモニー・トリオではないだろか...この先ヘプトーンズのようなグループは二度と現れないだろう。
2018/04/25 掲載
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