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Meditations（メディテーションズ）Text by Jeremy Collingwood

アンセル・カリッドランドウィンストン・ワットソンかつてライチャス・フレイムスのメンバーだったダニー・クラークから構成された美しいボーカル・トリオ。ダニー・クラークによって1975年に結成されたグループはその後10年間にわたりジャマイカを代表するルーツ・ボーカル・ハーモニー・グループとして地位を確立、しかし彼らの売上げがレゲエ界における彼らの評判や地位に反映されることはなかった。

Meditations

メンバー	Ansel Cridland Winston Watson Danny Clarke
結成地	ジャマイカ
関連アーティスト	Righteous Flames Lee Perry Bob Marley Congos

当時、注目の新人プロデューサーだったジョー・ジョー・フーキム(Joseph Hookim)と彼のチャンネル・ワン(Channel One)スタジオの初期作である'Woman is like a Shadow'はメディテーションズ(Meditations)にとって1万枚以上の売上げを記録するジャマイカ最大のヒットである。彼らのデビュー曲はアーティスト兼プロデューサーのドビー・ドブソン(Dobby Dobson)のもとで制作されワイルドフラワー(Wild Flower)からリリースされた'Babylon Trap Them'でラスタのヴァイブスを帯びた作品だった。さらにリー・ペリー(Lee Perry)のブラック・アーク(Black Ark)スタジオ録音となった'Running From Jamaica'がダブルD(Double D)からダニー・クラーク&ザ・メディテーションズの名義で発表された。

ブラック・アークの終焉期となった1978年に彼らはリー・ペリーのもとで3曲のシングルを制作、'Houses of Parliament'、'Think So'や'No Peace'がブラック・アーク・ディスコ・バン(Black Ark Disco Bum)から発表された。'No Peace'は当時キングストンのストリートで目の当たりにしていた抗争を物語っている。1979年には56ホープ・ロードに拠点を持ったタフ・ゴング(Tuff Gong)から'Miracles'をリリース(彼らはタフ・ゴングから音楽を発表した数少ないアーティストたちの1グループである)。そうして、彼らはもちろん'Blackman Redemption'や'Rasta Man Live it Up!'といったボブ・マーリー(Bob Marley)の楽曲でバッキング・ボーカルを務めた。余談だがリー・ペリーはボブ・マーリーによる'Natural Mystic'のオリジナル楽曲のバッキング・ボーカルにメディテーションズを起用している。また、彼らはリー・ペリーとコンゴズ(Congos)の傑作盤「Heart of the Congos」のバッキング・ボーカルを担った。メディテーションズはブラック・アークでの録音需要が増える中の録音を続けたハードコアなラスタである。

彼らのデビュー・アルバム「Message from the Meditations」は1997年にジャマイカ、翌年にアメリカで発表された。ドビー・ドブソンが制作した彼らのセカンド・アルバム「Wake Up」も世界市場で流通され、アメリカで絶大な支持を受けると彼らは"正義溢れるラスタマン"から構成されるのボーカル・グループのトップに立った。ジャマイカにおける地位も1978年の伝説の「ワン・ラブ・ピース」コンサートに出演したことから想像出来るだろう。

その他のボーカル・グループとは違い、1980年初期ダンスホールの到来にも順応を見せ、リリースを継続した。セルフ・プロデュースによるシングルやアルバムが数年の間続き、1983年リンバル・トンプソン(Linval Thompson)が手掛けたアルバム「Carpenter Rebuild」に、ルーツ・ラディックス(Roots Radics)が近代的なサウンドを提供、レゲエチャートを騒がせた'Carpenter Rebuild'が収録された。

真のジャマイカン・スタイルと言えよう、ジャマイカやイギリスの様々なレーベルからシングルが発表された。もちろん、多くアメリカのレーベルからも発表され、彼らは多大な支持をアメリカから得ることに成功した。メンバーが数年の間欠けることもあったが1990年代に入ってもアルバム制作やツアー活動を続け、そのキャリアはディープ・ルーツ・ミュージック世代の生存者には稀だが20年を越えた。

2018/01/31 掲載