Impact(インパクト)Text by Dub Store Sound Inc.
チン一族が経営したレコード・ショップ兼スタジオのランディーズから派生したレーベル。60年代から現在までチン一族がジャマイカ音楽業界に与えた影響は計り知れない。
Impact
設立地 |
ジャマイカ キングストン ノース・パレード |
主要スタジオ |
Studio 17 |
設立者 |
Vincent Chin |
プロデューサー |
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エンジニア |
Errol Thompson |
関連アーティスト |
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関連レーベル |
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レコード・ショップ兼スタジオのランディーズ(Randys)の設立者、ヴィンセント・チン(Vincent ‘Randy’ Chin)はロード・クリエーター(Lord Creator)等のプロデュースで成功し、隣接するレコード・ショップもジャマイカを代表する人気店となっていた。その跡を継いだ息子のクライブ・チン(Clive Chin)は学友のオーガスタス・パブロ(Augustus Pablo)の代表曲'Java'の大ヒットを皮切りに専属エンジニアのエロール・トンプソン(Errol Thompson)と共にボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley & The Wailers)、デニス・ブラウン(Dennis Brown)、アルトン・エリス(Alton Ellis)、カール・マルコム(Carl Malcolm)、ジュニア・バイルズ(Junior Byles)、ジミー・ロンドン(Jimmy London)といったアーティストを手がけた。クライブ・チンはハーマン・チン・ロイ(Herman Chin Loy)、オーガスタス・パブロ共に"ファー・イースト・サウンド"の礎を築いた。
そのオーガスタス・パブロの'Java'と共にインパクト!(Impact!)を語る上で最も重要な作品、ジャマイカを代表するエンジニア、エロール・トンプソンがミックスしたダブ・アルバム、「Java Java Java Java」は伝説的なダブ・アルバムとして人々の共通の認識を得ている。先に記したオーガスタス・パブロの'Java'のヴァージョンやヘプトーンズ(Heptones)の'Guiding Star'、ジュニア・バイルズの'King Of Babylon'等の強力なリズムを研ぎ澄まされた感性で極限まで削ぎ落とした。最初期に作られたダブ・アルバムであると同時に驚くほどに完成されている。
また、彼らの経営するスタジオ17(Studio 17)は60年代後半から70年代初期にかけて様々なプロデューサー達に重宝され、数々の名曲が同所で作り出された。更にエンジニアのエロールは同スタジオでダブに関する様々な実験を行っており、その後のダブの発展に大きく貢献した。
その後、一家でニューヨーク移住するとクライヴはジャマイカ料理のレストランを経営し、同所にVPレコーズ(VP Records)を設立したチン一族は現在でもレゲエの発展に貢献し続けている。
2007/05/20 掲載 (2014/04/21 更新)