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トップ特集・オリジナルコンテンツレーベル名鑑Firehouse
レーベル特集
Firehouse(ファイヤーハウス)Text by Dub Store Sound Inc.
ダブ・マスターの異名を持つ、キング・タビーが85年に興したレーベル。その革新的なサウンドは世界中のレゲエファンに再評価されている。
Firehouse
設立 1985年
設立地 ジャマイカ キングストン ウォーター・ハウス
主要スタジオ
King Tubbys Studio
設立者
King Tubby
プロデューサー
エンジニア
Banton
Fatman
Peego
関連アーティスト
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ダブの創始者として名高いキング・タビー(King Tubby)が運営したレーベル。様々なレーベルの楽曲をミックスし、サウンド面でのエンジニアの重要性を決定付けたパイオニアである。1970年代、彼自身や彼の弟子達、プリンス・ジャミー(Lloyd James)やサイエンティスト(Scientist)、フィリップ・スマート(Phillip Smart)等キング・タビー・クルーがB面にクレジットされたレコードは、それだけで人々の購買意欲に火を付ける程であった。それ程の影響力を持ったキング・タビーだが、1970年代、自身の楽曲は単発的にしかプロデュースしていない。しかし彼はミキシング・エンジニアとして70年代のシーンで揺ぎ無い地位と大きな影響力を持っていた。彼の成した偉業は現在のヒップ・ホップやジャングルといった音楽にも大きな影響を与えているのである。

1970年代が終わり、新たな局面を迎えたレゲエ・シーンにおいてダブに対する需要は明らかに減っていった。ダンスホールへと主流が移行するその動きに伴い活躍の機会は以前に比べて減少傾向にあったキング・タビーであるが、これまで行っていたミキシングだけでなくレコーディング機能も完備したスタジオ建設に着手する。そして1985年ついに新しいスタジオをオープンさせるのである。この新しいキング・タビーズ・スタジオではピーゴ(Peego)、ファットマン(Fatman)、バントン(Banton)といった愛弟子達がエンジニアを努める事が多く、キング・タビー(自身はレーベル運営に徹する事が多かった。

満を持してスタートしたファイヤーハウス(Firehouse)、ウォーターハウス(Waterhouse)、キングストン11(Kingston 11)、タウロス(Taurus)といったレーベルは、同年発表の"Sleng Teng"によって隆盛を誇った愛弟子、ジャミーズ(Jammys)の強力なライバルとなった。レーベル発足後すぐに放った大きなヒット、アンソニー・レッド・ローズ(Anthony Red Rose)の"Tempo"はスレンテンによるコンピュータ革命に対抗し得る強力なディジタル・リズムである。この"Tempo"は"Sleng Teng"に代表される軽快でアップテンポなディジタル・トラックとは180°異なる方向性を示した。マイナー・コードで進行されるソリッドで角が立ったようなサウンドはキング・タビーの弟子達、ピーゴとファットマンによる攻撃的なミックスでより鋭さを増している。テナー・ソウ(Tenor Saw)やニッティ・グリッティ(Nitty Gritty)、キング・コング(King Kong)等に代表される平たいヴォーカル・スタイル、"アウト・オブ・キー"もリズムと溶け合い素晴らしい相乗効果を生んだ。アンソニー・レッド・ローズ(Anthony Red Rose)とファイヤーハウス、双方のキャリアを華々しく飾る代表曲である。もう一つの代表曲、スレンテン使用の'Under Mi Fat Thing'も鋭いミックスが光る特筆すべき素晴らしい楽曲であるし、'Funeral'のイントロから始まる攻撃的なサウンド・チューン'Worries Again'や'Me No Want No Boops'、'Old Pan Bangrang'といったヒット曲も忘れてはならない。

キング・コング(King Kong)、コートニー・メロディー(Courtney Melody)もレーベルの存在感を示すのに大きな役割を果たした。キング・コングが歌った当時蔓延しつつあったエイズへの警告、'Aids'は大きな反響を呼び、コートニー・メロディーによる'Ninja Mi Ninja'はその攻撃的なリリックでサウンド・クラッシュでは定番となった。それは現在に至っても変わる事はない。同様にリトル・ジョン(Little John)の'Fade Away'も人気のサウンド・チューンである。ジュニア・バイルズ(Junior Byles)のルーツの傑作をサウンド・マンに向けて歌い直した物だ。

タビーは前述したアーティスト以外にもグレゴリー・アイザックス(Gregory Isaacs)やコーネル・キャンベル(Cornell Campbell)、ジョニー・クラーク(Johnny Clarke)といったヴェテラン勢からキング・エヴァオール(King Everal)、ロイド・ヘミングス(lloyd Hemmings)、ジョン・ウェイン(John Wayne)といった新進気鋭のアーティストまで様々な作品を手がけた。それらの作品は一貫して弾丸のような鋭さを持っていた。全作品における一つの特徴、100%サウンド・システム使用と言うべき一曲一曲の破壊力は、他の追随を許さない。

ダンスホール・レゲエという新たな時代に果敢に挑戦し続けたタビーだったが、サウンドクラッシュ仕様のアルバム'King Tubby Presents Sound Clash Dub Plate Style'が発表されて間もなくの89年2月6日未明、自宅に帰宅した直後にガンマンに襲撃され殺害されてしまう。彼の早すぎる死は島中を悲しみに包むと共にレゲエ界にとって大きな損失となった。偉大なパイオニアの挑戦はこうして幕を閉じる事となったが、彼の残した功績は彼の死から20年余り経った現在でも色褪せる事は無い。
2017/12/06 掲載
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