Shocking Vibes（ショッキング・ヴァイブス）Text by Dub Store Sound Inc.
パトリック・ロバーツとレーベルの看板シンガーでもあるリトル・カークことカーク・デイヴィス(Kirk Davis)によって設立されたレーベル。90年代を代表するヒット・リズムを多数生み出し、時代を代表するレーベルとして君臨した。現在でも好調にリリースを続ける老舗レーベルである。
Shocking Vibes
| 設立地 | ジャマイカ キングストン スライプ・ペン・ロード |
| 主要スタジオ | Penthouse Tuff Gong |
| 設立者 | Kirk Davis Patrick Roberts |
| プロデューサー | |
| エンジニア | Anthony Kelly Stumpy |
| 関連アーティスト |
1980年代後半からリリースをスタートし、87年にリトル・カークの'Ghetto People Broke'がヒットする。その頃からシーンにおいての存在感を確かな物にするのだが、本レーベルを語る上で、90年代中期に放った"Full Up"や"Yuh Dead Now"、"Corduroy"等のヒットを中心として捉えるべきであろう。これらに乗せた一連のヒット曲は現在でもダンスホールで頻繁にプレイされる程の人気チューンで、当時のチャートを賑わせた。
中でもダンスホール・ファンに大きな衝撃を与えたのは、攻撃的なサウンドチューンであるユートン・グリーン(Uton Green)の'Can't Take'やタイガー(Tiger)の'Yu Dead Now'、看板ディージェイとして活躍したビーニ・マン(Beenie Man)の'World Dance'や'Gun Finger'であろう。キラマンジャロ(Killamannjaro)等のサウンドのダブ・プレートでも有名なタント・メトロ(Tanto Metro)の'Rude Boy Cool Down'も忘れてはならない。
ファイヤー・ハウス・クルー(Fire House Crew)を起用した攻撃的でタイトなリズムに乗せたショッキング・ヴァイブス(Shocking Vibes)のパフォーマーたちの芸風は多種多様で、それもレーベルの大きな特徴であろう。あの"キング・オブ・ダンスホール(King of Dancehall)"ことビーニ・マンのダンスホールでの成功もこのショッキング・ヴァイブスから始まっている。子供の頃からマイクを握り続けていた彼もこのレーベルを通して自らをシーンへ売り込むことに成功したのである。子供の頃から注目を集め、天才と呼ばれた彼も、目立ったヒットに恵まれず、録音機会も減っていた(サウンド・システムではレギュラーとして活躍していたが...)。そんなビーニ・マンをメイン・ステージへと送り込んだパトリック・ロバーツの手腕は見事である。それからの彼の勢いはご存知の通りで、今尚トップに君臨し続けている。
多種多様なディージェイ陣の他にも、リトル・カークの一連のマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)のカバーや、ゴースト(Ghost)、ウェイン・ワンダー(Wayne Wonder)等の良質な歌物も多数手がけた。ファイヤー・ハウス・クルーによって支えられたハード・コアなラガのリズムとロマンティックで洗練されたヴォーカリストの為のリズム、その2つの異なる要素をうまく使い分ける事で大きな成功を手にしたのである。
2008/01/09 掲載 （2014/04/21 更新）
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