Big Ship(ビッグ・シップ)Text by Dub Store Sound Inc.
ご存知フレディー・マクレガー(Freddie Mcgregor)によって設立されたレーベル。自身のヒット曲のタイトルからその名が付けられた。現在はご子息であるスティーヴン・マクレガー(Stephen Mcgregor)によってダンスホールに大きな影響力を生み出している。
Big Ship
設立 |
1984年 |
設立地 |
ジャマイカ キングストン |
主要スタジオ |
Anchor Big Ship Black Scorpio CRS Leggo's Main Street New Name |
設立者 |
Freddie Mcgregor |
プロデューサー |
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エンジニア |
Colin 'Fatta' Marshall David Cole David Rowe Linford Marshall Murphy Browne Richard Browne |
関連アーティスト |
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デビューから現在に至るまでシーンのトップで活躍を続ける大御所シンガー、フレディー・マクレガー(Freddie Mcgregor)によって設立されたレーベル。レーベル名はトンプソン・サウンズ(Thompson Sounds)からのヒット曲にちなんで名付けられた。様々なレーベルで膨大な録音を行い、数々のヒットを生み出すのと同時に、自身のレーベル、ビッグ・シップ(Big Ship)では、'Bangarang'、'I Was Born A Winner'、'Let Them Try'、'My Jamaican Girl'、'Joy In The Morning'といった往年の名曲のカバーや、こちらも極上のジャマイカン・クラシックスのカバー曲のみで構成された'Sings Jamaican Classics'シリーズ等のリリースを展開していった。音楽の学校スタジオ・ワン(Studio One)出身である彼なりの、大きな尊敬の意がこうした作品には込められていると言えるだろう。オリジナルに忠実に作られたサウンドやアレンジ、細部に至るまでの細やかな気配りは楽曲に対する純粋な気持ちが表れ、それは聴く者にもストレートに伝わってくる。その姿勢は続く世代にとっても大きな影響を与えていると言えるだろう。娘であるヤシマベス(Yeshemabeth) aka シェマ(Shema)や息子のチノ(Chino)、スティーヴン・マクレガー(Stephen Mcgregor)にとっても例外では無い。
そして現在のビッグ・シップ(Big Ship)は、こうした恵まれた環境の元で育ったご子息、スティーヴン・'ディ・ジーニアス'・マクレガー(Stephen 'Di Genius' Mcgregor)によってダンスホール・シーンに大きな影響力を持つトレンド・セッターとして認知される。彼が持つ新時代の感覚から生み出されるリズムの数々はダンスホールに新たな流行を巻き起こしている。
1990年生まれのこの天才プロデューサーはトラック制作からミックスまで全てを一人でこなす、まさに'Di Genius'。これまでに発表された'Cartoon'、'Power Cut'、'Tremor'、'Work Out'、'Day Break'といった最先端の高速サウンドは熱狂的にシーンに受け入れられた。ビッグ・シップ(Big Ship)以外にもリズムの提供を行いピュア・ミュージック(Pure Music)の'Red Bull & Guiness'、H2Oの'12 Gauge'といったリズムも彼の制作による物である。
若干18歳(2008年現在)ながら、マヴァド(Mavado)、ビジー・シグナル(Busy Signal)、ヴァイブス・カーテル(Vybz Kartel)といった大物アーティストを相手に堂々たるプロダクション・ワークを見せ、チノ(Chino)、シェマ(Shema)といったファミリー、更にラディン(Laden)という若き才能を世に送り出し彼は瞬く間にトップ・プロデューサーとしての地位を確立した。現在のシーンのトレンドはもはや彼抜きにしては語れない。ドン・コーレオン(Don Corleon)、ダセカ(Daseca)と共にダンスホールの次代を担う注目の存在である。
2008/10/10 掲載 (2009/03/20 更新)