Paragons(パラゴンズ)Text by Dub Store Sound Inc.
数多くのロックステディ・ヒットを残し、ジョン・ホルト、タイロン・エヴァンス等のヴォーカリストを輩出したグループ。あのボブ・アンディも初期メンバーとして名を連ねた。
Paragons
メンバー |
Garth Tyrone Evans Bob Andy Leroy Stamp Junior Menz John Holt Howard Barrett |
結成地 |
ジャマイカ キングストン |
1960年代に活躍したコーラス・グループ、パラゴンズ(Paragons)。彼等は美しく力強いハーモニーを武器にロックステディ期を代表するグループとなった。タイロン・エヴァンス(Tyrone Evans)、ボブ・アンディ(Bob Andy)、ジョン・ホルト(John Holt)といった偉大なるソロ歌手を輩出したことでも知られるグループである。彼等はガース・タイロン・エヴァンス(Garth Tyrone Evans)、ボブ・アンディ、リロイ・スタンプ(Leroy Stamp)、ジュニア・メンズ(Junior Menz)をオリジナル・メンバーとして結成され、幾度かのメンバー・チェンジを経て活動を続けた。結成当初はバインダーズ(Binders)というグループ名を名乗っていた。
1964年にリロイ・スタンプが脱退すると、代わりにジョン・ホルトが加入。リード・シンガーを務める様になった。これを機に豪華で安定したハーモニーが彼等のトレード・マークとなり、評価を確立していく。同年テクニクス(Techniques)に加入する為ジュニア・メンズも脱退。代わってハワード・バレット(Howard Barrett)が加入した。
1964年から65年の間にはコクソン・ドッド(CS Dodd)のスタジオ・ワン(Studio One)で活動。'Good Luck And Good Bye'、'Depth Of Love'、'Follow Me'、'Love At Last'、'Play Girl'といった楽曲を残した。
1965年にはボブ・アンディがソロとなり、3人になったパラゴンズはデューク・リード(Duke Reid)のトレジャー・アイル(Treasure Isle)で録音を開始、新しいロックステディのスタイルで大活躍を果たす。この時期に発表した'Happy Go Lucky Girl'、'On The Beach'、'Wear You To The Ball'、'Riding High On A Windy Day'、'The Tide Is High'、'Only A Smile'といった楽曲は今尚愛され続ける黄金のロックステディ・クラシックとなった。ロックステディの楽曲が主だったが'Left With A Broken Heart'や'A Quiet Place'等といったレゲエ楽曲も重要なヒット作として知られる。
その後、リード・シンガーであるジョン・ホルトのソロ・キャリアが成功し、1970年にグループは解散。残りの2人はニューヨークへと移住した。
タイロン・エヴァンスはワッキーズ(Wackies).スタジオで録音を続け、スリッツ(Slits)による'A Quiet Place'のカバー、'The Man Next Door'や、ブロンディ(Blondie)のカバーによってビルボードでナンバー・ワン・ヒットとなった'The Tide Is High'でグループは世界的な注目を浴びることになる。
その後の1983年にグループは再結成、ジョン・ホルト、タイロン・エヴァンス、ジュニア・メンズのメンバーが再び揃った。彼等はスライ・アンド・ロビー(Sly & Robbie)のプロデュースでアイランド(Island)からリリースを行った。
2002年にはガールズ・ポップ・グループのアトミック・キテン(Atmic Kitten)による'The Tide Is High'がヒットとなり、ウェイリング・ソウルズ(Wailing Souls)によるカバーはここ日本でCMに起用される等、彼等の楽曲は今尚世界中のファンに愛され続けている。
2020/02/07 掲載