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トップ特集・オリジナルコンテンツアーティスト名鑑Ken Boothe
アーティスト特集
Ken Boothe(ケン・ブース)Text by Harry Hawks
ケン・ブースは素朴で迫力のない楽曲でさえも、心に触れる感情を与えることが出来る的確な才能を持った"ジャマイカを代表する魂のアーティストの1人" である。
Ken Boothe
本名 Ken Boothe
出生 1948年3月22日
出身地 ジャマイカ キングストン デンハム・タウン
関連アーティスト
ケン・ブース(Ken Boothe)は1948年3月22日、ジャマイカ、キングストンのデンハム・タウンで生まれ、音楽一家に育てられた。家族ゆえに彼は音楽への興味を示し、母親と姉から手ほどきを受けた。彼は8歳の時、Demham Primary Elementary Schoolに在学中ながら、歌唱コンテストで初めて優勝し、その後すぐにキングストンのサウンドシステムとジューク・ボックスから聴こえてきた音楽に完全に魅了された。彼が最初に影響を受けたのは地元のアーティスト、オーウェン・グレイ(Owen Gray)だったが、彼が特に愛して止まなかったのはドリフターズ(Drifters)、マハリア・ジャクソン(Mahalia Jackson)、ウィルソン・ピケット(Wilson Pickett)、テンプテーションズ(Temptations)そしてオーティス・レディング(Ortis Redding)で、彼らはケン・ブースの情熱的な歌い方が形成されるうえで重要な役割を果たした。彼は近所の友人、ウィルバーン'ストレンジャー'コール(Wilburn Stranger Cole)とストレンジャー&ケン(Stranger & Ken)としてサウンドシステムを経営していたサー・マイク(Sir Mike)の元で1963年に初めての録音を行った。'Hush Baby'はそこそこ売れ、その後ストレンジャー&ケンはヴィンセント'ランディ'チン(Vincent 'Randy' Chin)とデューク・リード(Duke Reid)のトレジャー・アイル(Treasure Isle)でも録音を経験し、1965年、クレメント'コクソン'ドッド(CS Dodd)のスタジオ・ワン(Studio One)へとやってきた。

'World's Fair'や'All Your Friends'などが次々とヒットし始め、'Artibella'は1965年の正真正銘のスマッシュ・ヒットになった。'Artibella'を歌って回るのを見ていたコクソンはケンをソロとして活動させることを決断した。彼は'You're No Good'として知られるけんか腰の'Crying Over You'や、"I will forgive you but I'll never forget...(君の事は許すけど、決して忘れはしない...)"という執心深くありながらも懐柔的な'Come Running Back'なスカからロックステディへの過渡期に最高級のナンバーを歌った。'Calling'とロイ・シャーリー(Roy Shirley)と組んだ'Paradise'をソニア・ポッティンジャー(Sonia Pottinger)のゲイ・フィート(Gay Feet)で録音したケン・ブースはロックステディの到来と共に、自身の歌い方を見出し、より優しく、更に整然としたスタイルのこのリズムはジャマイカのヴォーカリストたちにどれほどの技量があるのか証明するきっかけを与えた。ロイ・シャーリーがジョー・ギブス(Joel Gibson)の元に残した、最初のロックステディの1つとされる'Hold Them'は1967年のジャマイカでナンバー・ワンのヒットとなり、ケン・ブースもまた'Feel Good'と名前をつけなおした'Hold Them'をコクソンの元で録音した。これはドッド氏がロンドンを拠点にスタートさせた新しいスタジオ・ワン・レーベルの記念すべき1枚目の7インチ・リリースだった。

ウェイラーズ(Wailers)がハーモニーを担当した'Train Is Coming'、'My Heart Is Gone'、'Just Another Girl'、'Thinking'、'Moving Away'などの楽曲をヒットさせ、スタジオ・ワンで成功し続け、ボブ・アンディ(Bob Andy)の'I Don't Want To See You Cry'のカヴァーでケン・ブースは"Mr. Rock Steady"の名を手に入れた。1967年、彼はスタジオ・ワンのハウス・バンド、ソウル・ヴェンダーズ(Soul Vendors)のフィーチャー・アーティストとしてアルトン・エリス(Alton Ellis)と共に回ったイギリス・ツアーは大絶賛だった。彼はその年のEurovision優勝者、サンディ・ショウ(Sandie Shaw)の'Puppet On A String'軽いノリのポップ・ソングを独特のビターなバラードに変身させてみせた。彼はコクソンの元で、1968年の「Mr Rock Steady」と「More Of Ken Boothe」、その2年後にリリースした「A Man & His Hits」と3枚のアルバムをリリースした...オムニバスが多かった時代に素晴らしい快挙だ。ブレントフォード・ロードに在籍しながらもケンは、ソニア・ポッティンジャーのゲイ・フィート・レーベルに'Say You'を、フィル・プラット(Phil Pratt)のジョン・トム(Jon Tom)レーベルには'The One I Love'と'Left The Water Running'を、そして1970年にドッド氏の元を離れる前、キース・ハドソン(Keith Hudson)の元で録音した'Old Fashioned Way'でこの伝説的なプロデューサーに初めてのヒットをプレゼントした。

「ケン・ブース、すでに"Mr Rock Steady"という名で呼ばれていた。彼は意図も簡単に"Mr Reggae"と"Mr Soul"の王冠を2つ同時に手にすることが出来るだろう」ルイスLグッデン(Louis L Gooden)

1969年が1970年に変わろうという時、レスリー・コング(Leslie Kong)のビヴァリーズ・レコーズ(Beverleys Records)は、世界でウケるポップ感と、ピュアで屈託のないジャマイカのロックステディとレゲエの最高の配合でイギリスのNational Chart上位の常連になっていた。デスモンド・デッカー(Desmond Dekker)の'Israelites'と'It Miek'、パイオニアーズ(Pioneers)の'Long Shot Kick The/De Bucket'、メイタルズ(Maytals)の'Monkey Man'、メロディアンズ(Melodians)の'Sweet Sensation'ら全てはロンドンのピラミッド(Pyramid)とトロージャン(Trojan)レーベルからリリースされ、チャート入りを果たした。しかしケン・ブースのビヴァリースからのリリース、'Freedom Street'と'It's Gonna Take A Miracle'はどちらもイギリスのレゲエ市場で大ヒットしたが、不可解なことにNational Chartsへのチャート・インは適わなかった。

ケンはそれから、ロイド'チャーマーズ'タイレル(Lloyd Charmers Tyrell)とデュエット、'Rasta Never Fails'を1971年にロイドのレーベル、スプラッシュ(Splash)からリリースし、ロイド制作の'Black, Gold & Green'とシル・ジョンソン(Syl Johnson)の'Is It Because I'm Black'はまたもヒットを記録した。彼はフィル・プラットと再度活動を始め、恨みのこもった'I'm Not For Same'、内観的な'Artibella'のセルフ・リメイクを制作、その後彼1番のヒット'Silver Words'をウィンストン'ナイニー・ザ・オブザーヴァー'ホルネス(Winston 'Niney The Observer' Holness)の元に残した。

「ケン・ブースのベスト中のベストはナイニーのところで録った''だな...」バニー'ストライカー'リー(Bunny Striker Lee)

しかしこの2人の関係は長くは続かず、ナイニーは若いデニス・ブラウン(Dennis Brown)を録音し始め、ケンはクーリ家のフェデラル・レコーズ(Federal Records)に援助されていたロイド・チャーマーズの元へと戻っていった。1974年の秋、美しい'Everything I Own'はレゲエのチャートでトップに輝き、イギリスのNational Chartで喉から手が出るほど欲しかったナンバー・ワンを獲得した。デイヴィッド・ゲイツ(David Gates)が亡き父親と彼のグループ、ブレッツへのトリビュートとして書いたとされるこの楽曲は1972年にヒットしていたが、ケン・ブースの解釈はこの曲に万人の受け入れやすさをもたらした。

"最新のベスト・セラー・レコードはブレント・ダウ(Brent Dawe)のLP「Build Me Up」、ケン・ブースの最新アルバム「Let's Get It On」、そして彼のシングル'Everything I Own'だ。ケン・ブースがジョン・ホルト(John Holt)に勝った。女子が買うのはジョン・ホルトだが、ケン・ブースは万人が買い求める"メルヴィン'メローズ'ドッカレイ(Melvin 'Mellos' Dockeray)の"The Reggae Understand"より

ケン・ブースは2度目となるイギリス・ツアーを行ったが、今回はショーの目玉であり、ジャマイカへ帰路の途中、"ケン・ブース...黄金の声は'Everything I Own'で世界の壁を壊した"と高々と宣言したSwingマガジンにこの体験を事細かに語った。ロイド・チャーマーズ制作の素晴らしい'Crying Over You'もまたイギリスのNational Chartの上位に食い込んでみせたが、1974年12月、ケンが全国ネットのテレビにも出演していたにも関わらず、トップ10入りを逃してしまった。

「BBC TVのAnnual Christmasショーが絶頂期だった。そのショーは1974年でナンバー・ワンになった全ての曲をフィーチャーした。その中にはリンゴ・スター(Ringo Starr)の'The Three Degrees'、スレイド(Slade)...他にもたくさんあった。私はチャンスを与えられたのだと思う。感謝しているよ」ケン・ブース

数え切れないコンサートへの出演に加え、変わり続けるジャマイカ音楽のスタイルと流儀の中で調和し続け、幅広くレコーディングを続けている。彼の"感情を実に見事にコントロールすることが出来る高度なパフォーマンス"でキング・ジャミー(Lloyd James)、ヒュー'レッドマン'ジェームス(Hugh 'Redman' James)、タッパー・ズッキー(Tappa Zukie)、その他数え切れないプロデューサーたちは彼がこの職業のトップにいることを確信してきた。彼の影響力は強く、1987年、カルチャー・クラブ(Culture Club)の前リード・シンガー、ボーイ・ジョージ(Boy George)が'Everything I Own'をカヴァーし、この曲は2度目のナンバー・ワンに輝いた。彼の解釈はデイヴィッド・ゲイツのオリジナル・テイクよりもケン・ブースのものに近かった。1995年、ケンはシャギー(Shaggy)とグラミー賞に輝いたアルバム、「Boombastic」で'Train Is Coming'を再演し、この楽曲は映画、「Money Train」のサウンドラックにも起用された。そして約50年前にドッド氏を感心させた'Artibella'は2012年のスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)がカヴァーし国際的なスマッシュ・ヒットになった。2003年、ケン・ブースはジャマイカ音楽発展に貢献したとして、ジャマイカ政府よりOrder of Distinctionを贈られている。"ジャマイカ音楽の中で最もユニークな声の持ち主の1人"であるケン・ブースが振り返ることはない...

参考文献:
Steve Barrow & Peter Dalton: Reggae The Rough Guide Rough Guides Ltd 1997
Carl Gayle: The Reggae Underground Black Music Volume 1 Issue 8 July 1974
Rob Chapman: Downbeat Special Album Discography Rob Chapman 1996
Noel Hawks & Jah Floyd: Reggae Going International 1967 to 1976
The Bunny 'Striker' Lee Story Jamaican Recordings Publishing 2012
Alan Reid & Johnny Golding: Ken Boothe In England Swing February/March 1975
Michael Turner & Robert Schoenfeld: Roots Knotty Roots Nighthawk Records Publishing 2001

Louis L Gooden: Liner Notes More Of Ken Boothe Studio One LP 1968

http://www.kenboothemusic.com/
2019/10/25 掲載
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