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レーベル特集

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No Doubt（ノー・ダウト）Text by Dub Store Sound Inc.

ジプシャン、'Mama Don't Cry'の大ヒットを輩出した2005年'Triumphant'リズムを始め、順調に作品を発表しているレーベル。

No Doubt

設立地	ジャマイカ　キングストン
設立者	Kemar 'Flaba' Mcgregor
プロデューサー	Kemar 'Flaba' Mcgregor
関連アーティスト	Anthony B Beres Hammond Capleton Chezidek Chuck Fender Duane Stephenson Etana Fantan Mojah Gyptian I Octane Jah Cure Jah Mason Luciano Lukie D Lutan Fyah Marcia Griffiths Morgan Heritage Naturall Black Nesbeth Perfect Queen Ifrica Ras Shiloh Richie Spice Sizzla Turbulence

ジャマイカを代表する現代の若きルーツ・プロデューサー、ケマー・フラバ・マクレガー(Kemar 'Flaba' McGregor)。彼はジプシャン(Gyptian)、エタナ(Etana)、ネスべス(Nesbeth)、リッチー・スパイス(Richie Spice)、ルータン・ファイヤー(Lutan Fyah)といったアーティストのキャリアをプッシュし、自身の運営するレーベル、ノー・ダウト(No Doubt)ではチーフ・エクスクルーシブを務める。ラジオ・ジョッキー、サウンド・システムのセレクターとして活動していたケマー・フラバ・マクレガーはわずか数年の間に様々なヒット曲を輩出し、一流プロデューサーとしての地位を築いた。

キングストン7のコミュニティで誕生し、モンテゴ・ベイで育った彼は音楽の影響、自身の音楽に対する下地をモンテゴ・ベイ時代に築いた。学校を卒業すると同時に、モンテゴ・ベイのナイト・クラブ、Pier 1にてセレクターとして活動を開始、DJリキッド(DJ Liquid)やDJウェイン(DJ Wayne)等と共にキャリアを積んだ。フラバというニックネームはこの時代に付けられた物で、「音楽をパーフェクトなフレーヴァーにブレンドすることが出来る」といった理由からDJリキッドによって命名された。以来このニックネームが今日まで使われている。

セレクターとしてのキャリアを踏まえ、更なる飛躍を誓ったフラバはエンジニア技術を学ぶ為にドイツへと留学。ドイツで学んだ技術は後のスタジオ建設におおいに役立っている。

1999年に本格的にプロデュースを開始したフラバの最初の作品は、タービュランス(Turbulence)のアルバム「Join Us」である。このアルバムに収録された'Name And Number'は、リリースからじわじわと人気を獲得し、タービュランスにとって初のヒット・シングルとなった。そして海外でも高く評価された作品、アンソニーB(Anthony B)のアルバム、「Smoke Free」、シズラ(Sizzla)の「Speak Of Jah」や「Brighter Day」、ルチアーノ(Luciano)の「Upright」等を手掛けドイツのチャートやあのBillboardチャートをも賑わせていった。これまでフラバはヨーロッパにおいて20以上のアルバムを手掛けている。

2006年には初のリズム・リリースとなった"Triumphant"をリリース。へヴィー・ウェイトなベース・ラインにナイヤビンギ・ドラムを組み合わせ、その演奏にはアックス・マン(Axe Man)、ボンゴ・ハーマン(Bongo Herman)、カーリントン・モリソン(Carlington Morrison)といった一流のミュージシャンがフィーチャーされた。一連でヒット作がリリースされたこのリズムだが、中でもジプシャン(Gyptian)の'Mama Don't Cry'がメジャー・ヒットを記録し、更にはアルバム「My Name Is Gyptian」もプロデュース。無名だったジプシャンをスターへ押し上げると共に、自身の名声も確実な物とした。

続く2007年の"83"リズムではクイーン・アイフリカ(Queen Ifrica)の'Daddy'の大ヒットを筆頭に、リッチー・スパイスの'A No Me Dat'やIオクテイン(I Octane)の'Poverty'といった作品が話題となった。

2008年の"Rub A Dub"リズムではエタナの'I Am Not Afraid'、リッチー・スパイスの'Da Plane Land'、ネスベスの'Guns Out'、モーガン・ヘリッジ(Morgan Heritage)の'Nothing To Smile About'、ケイプルトン(Capleton)の'Same Old Story'等がヒットを記録した。

アルバムではリッチー・スパイスの「Gideon Boot」、エタナの「The Strong One」、モーガン・ヘリッジの「'Mission In Progress」、ジプシャン(の「Keep Your Calm」をプロデュース。メジャー・レーベルでの活動にも熱心でVPレコーズ(VP Records)からの人気シリーズ、「Strictly The Best」や「Reggae Gold」、グリーンスリーヴス(Greensleeves)の「Reggae One Drop Anthems」に収録された楽曲も手掛けている。

彼はその素晴らしい才能を駆使し、意味のある、そしてコンシャスなヴァイブスを素晴らしいアーティストと共に表現している。ルーツ・ミュージックに対する敬意と愛、情熱を持って制作に取り組む姿勢には定評があり、結果としてニューヨークのトップ30チャート、サウス・フロリダのチャートに6曲同時にランクインするという前人未到の偉業も達成した。"ルーツ・アンド・カルチャー"を掲げたアーティストがグラミー賞を獲得する、アメリカの一般層に注目されるといった目標を掲げ、現在の"ルーツ・アンド・カルチャー"シーンを担うプロダクションとして活動を続けているノー・ダウト。彼の元から発表されるクリーンでポジティブなメッセージは今後も多くのリスナーに届けられるだろう。

2009/04/14 掲載　（2014/04/17 更新）