Dynamite(ダイナマイト)Text by Dub Store Sound Inc.
クライブ・ジャレット、べズウィック・'べボ'・フィリップスによるレーベル。スライ・アンド・ロビーによるリズムで80年代ダンスホール・シーンにおける重要なヒット作品を手掛けた。
Dynamite
設立地 |
ジャマイカ キングストン |
設立者 |
Beswick 'Bebo' Phillips Clive Jarrett |
プロデューサー |
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関連アーティスト |
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クライブ・ジャレット(Clive Jarrett)、ベズウィック'べボ'フィリップス(Beswick 'Bebo' Phillips)によって設立、運営されたレーベル。80年代初頭のアーリー・ダンスホール期に重要なヒットを放っている。
ダイナマイト(Dynamite)のサウンドはドラムのスライ・ダンバー(Sly Dunbar)、ベースのロビー・シェイクスピア(Robbie Shakespear)の2人によって支えられた。ヘンリー・ジュンジョ・ロウズ(Henry 'Junjo' Laws)のヴォルケーノ(Volcano)とプリンス・ジャミー(Lloyd James)のジャミーズ(Jammys)からは多数のヒット作がリリースされその勢いは圧倒的だったが、最も革新的なサウンドへと果敢に挑戦したのはこのスライ&ロビー(Sly & Robbie)であった。当時のスタジオでの主流はルーツ・ラディックス(Roots Radics)やハイ・タイムズ・バンド(High Times Band)であったが、これらのバンドに比べ経済的にも手の届く存在だった彼等を多くのプロデューサーがこぞって起用し始めたのである。
ダイナマイトからのヒット曲で真っ先に挙げられるのはカールトン・リヴィングストン(Carlton Livingston)の'Rumours'である。これはデリック・ハリオット(Derrick Harriott)が1967年に発表した'Solomon'をスライ&ロビーが新しく演奏し直したリズムを使用した。この楽曲はカールトン・リヴィングストンにとって最大のヒット曲となり、2000年にはシャバ・ランクス(Shabba Ranks)を迎えたカットがブリック・ウォール(Brick Wall)からリリースされた。
もう1人のシンガー、アル・キャンベル(Al Campbell)もダイナマイトに重要なヒットを残した。彼が放ったジャマイカ国内でのヒット曲、'Bad Boy'は威圧感たっぷりの攻撃的なリズムが歌詞の扱うテーマを非常に良く引き立てている。
更にディージェイ作品ではローン・レンジャー(Lone Ranger)、ピーター・メトロ(Peter Metro)、イエローマン(Yellowman)等が注目すべき作品を残した。ローン・レンジャーはカールトン・リヴィングストンとコンビで歌った'Walk With Love'を始め、'Learn To Drive'、'Johnny Mek You Bad So'、'Love Affair'、'Solomon'、ピーター・メトロはズー・ズー(Zu Zu)とのコンビネーションで実体験を歌った'In The Army'、更にイエローマンとはポール・マッカートニー(Paul McCartney)とマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の'the Girl Is Mine'のカバーをそれぞれヒットさせている。イエローマンは先の1曲の他にファットヘッド(Fathead)とのコンビで2曲、'Come Mi Jus A Come'、'Bait A Bait'を発表している。
ダイナマイトは"Solomon"、'"rhythm|Everybody Bawling|||"、"Taxi"、"Come On Little Girl"、"Pretty Looks Isn't All"といったリメイク・リズムを中心に作品を発表し、ヒットを輩出したがダンスホールのデジタル化が進むと共に作品数は減少していった。しかしダンスホールの熱気とエネルギーを明確に捉えた作品群は今尚高く評価され続けている。
2009/07/28 掲載 (2014/04/17 更新)