Soul Beat(ソウル・ビート)Text by Dub Store Sound Inc.
BB・シートンによって設立されたレーベル。自身が在籍したゲイラッズのロックステディを始め、上質な初期レゲエ・チューンをリリースした。現在も新録を行うなど積極的な活動を行っている。
Soul Beat
設立地 |
ジャマイカ キングストン |
主要スタジオ |
Channel One Colour Sound Studios Dynamic Joe Gibbs King Tubbys Miding Lab Room In The Sky Treasure Isle |
設立者 |
BB Seaton |
プロデューサー |
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エンジニア |
BB Seaton C.Lee Jason Bromfield Karl Pitterson Lynford Marshall Mikey Riley Ruddy Thoman Sid Buckner |
BBシートン(BB Seaton)ことハリス・ロイド・シートン(Harris Lloyd Seaton)によって設立されたレーベル。1968年頃から録音を開始し、現在も活動を続ける老舗中の老舗レーベルである。
プロデューサーのBBシートンは1944年の9月4日にキングストンで生まれ、高校時代から歌を歌い、自身の楽曲を書いていた。当時彼が書いていたのは、プラッターズ(Platters)、ドリフターズ(Drifters)、テンプテーションズ(Temptations)、フォー・トップス(Four Tops)といったアメリカのグループに影響を受けた音楽であった。
1960年代初頭にゲイラッズ(Gaylads)としてスタジオ・ワン(Studio One)でデビューを飾ると、デラノ・スチュワート(Delano Stewart)、モーリス・ロバーツ(Maurice Roberts)と共に美しいハーモニーを披露し、'Brown Skin Gall'、Talk Too Much'、'No Good Girl'、'No Body's Business'、'Chip Monk Ska'、'Stop Making Love'、'Lady With The Red Dress'といった楽曲を残した。3人が織り成す美しいハーモニーはスリム・スミス(Slim Smith)やウェイラーズ(Wailers)といった他のスタジオ・ワンのアーティストの模範となる程であった。
彼等のハーモニーはロックステディ期を迎えるとより洗練され、力強さを増していく。'Red Rose'、'Love Me With All Your Heart'、'You'll Never Leave Him'といったヒットに加え、中でも群を抜いて素晴らしい'Africa'は1967年当時にラスタの思想を取り入れた歴史的な作品である。スタジオ・ワンに残した2枚のアルバム、「Soul Beat」と「Best Of Gaylads」には彼等の代表曲ばかりが収められ、それらの楽曲はBBシートが作曲を手掛けた物である。当時BBシートンはスタジオ・ワンのオーディションも担当している。
その後WIRLにてビッグ・ヒットとなった'Joy In The Morning'、'She Want It'を録音。ソニア・ポッティンジャー(Sonia Pottinger)のゲイフィート(Gayfeetzには'Hard To Confess'、'Over The Rainbows End'、'I Need Your Loving'、'ABC Rocksteady'と名曲と呼ばれる楽曲を多数録音した。
これらの活動と平行して1960年代後半からレーベル、ソウル・ビート(Soul Beat)の運営開始したBBシートンは自身がソロで歌った'Accept My Apology'のヒットを皮切りにメロディアンズ(Melodians)、アルトン・エリス(Alton Ellis)、ケン・ブース(Ken Boothe)、デルロイ・ウィルソン(Delroy Wilson)、グレゴリー・アイザックス(Gregory Isaacs)といったアーティストの楽曲を手掛けていった。
70年代初頭のソウル・ビート作品の中で、抜群に素晴らしいのがBBシートン、ケン・ブース、ロイド・チャーマーズ(Lloyd Charmers)が関わったコンシャス・マインズ(Conscious Minds)名義のインストゥルメンタル楽曲'Good Mood'とヴォーカル物の'Hotter The Battle'、ノエル・ベイリー(Noel Bailey)の'Lonely Girl'である。これらの楽曲に共通する力強く引き締まったサウンドに対する評価は今日でも絶大である。
更に自身が歌ったパスエイダーズ(Persuaders)のカバー、'Thin Line Between Love & Hate'や、ビル・ウォルターズ(Bil Withers)のカバーで'Lean On Me'、'My Jamaicnan Girl'、'Miss My Schooldays'といった楽曲がヒットなり、プロデューサーとしても、エボニー・シスターズ(Ebony Sisters)の'I Must Be Dreaming'、フィル・フランシス(Phil Francis)の'Laugh It Off'、スーザン・カドガン(Susan Cadogan)の'Everybody Needs Somebody'を始めとした数え切れない作品を手掛けている。
現在はソウル・ビートからヴィンテージ・プロダクションをリリースし、世界が歌う音楽を書くという大きな目標の元精力的な活動を続けている。息子であるリチャード・シートン(Richard Seaton)はアメリカで同レーベルからヒップ・ホップをリリースしている。
2016/08/17 掲載