Taxi（タクシー）Text by Dub Store Sound Inc.
スライ・アンド・ロビーが作り出す、常に時代をリードした独自のサウンドはジャンルの垣根を超えて世界中で認められている。
Taxi
| 設立地 | ジャマイカ キングストン |
| 設立者 | Robbie Shakespeare Sly Dunbar |
| プロデューサー | |
| 関連アーティスト | |
| 関連レーベル |
そんな彼らが設立したレーベル、タクシー(Taxi)は、1979年グレゴリー・アイザックス(Gregory Isaacs)の'Soon Forward'のヒットを皮切りにブラック・ユフル(Black Uhuru)、タムリンズ(Tamlins)、アイニ・カモーゼ(Ini Kamoze)、ジュニア・デルゲイド(Junior Delgado)、ウェイリング・ソウルズ(Wailing Souls)、ヴァイスロイズ(Viceroys)、デニス・ブラウン(Dennis Brown)、シュガー・マイノット(Sugar Minott)といったアーティストたちのヒット曲を制作していった。
また、彼らは新しいテクノロジーを積極的に取り入れ、同レーベルで実験的な音作りを行った。スライが駆使するシンセ・ドラムに代表される彼らの金属的なサウンドは、後に主流となるコンピュータライズド・リズムの前身と言える。
彼等は自分たちのレーベル用に最先端のリズムを制作するだけに止まらず、他のレーベルのセッションにも多数参加している。パワー・ハウス(Power House)が真の成功を手にしたハーフ・パイント(Half Pint)の'Greetings'やバーリントン・リーヴィ(Barrington Levy)の'Money Move'、リトル・ジョン(Little John)の'True Confession'といった楽曲もスライ&ロビーのリズムを使用、更にダイナマイト(Dynamite)からのカールトン・リヴィングストン(Carlton Livingston)の'Rumours'やアル・キャンベル(Al Campbell)の'Bad Boy'、そしてサンセット(Sunset)、後にレーベル、エクスターミネーター(Xterminator)を設立するフィリップ・'ファティス'・バレル(Phillip 'Fatis' Burrell)のヴェナ(Vena)といったレーベルも彼らのリズムによって成功したと言っても過言ではない。
また、ボブ・ディラン(Bob Dylan)等のロック・スターたちとのセッションや、ブラック・ユフルとのインターナショナル・ツアーといった国際的な活動も行っている。
その後一時ジャミーズ(Jammys)のコンピュータ・サウンドとそのサウンドを担ったスティーリー&クリーヴィ(Steely & Clevie)の勢いに押された感もあったが、エクスターミネーターからの印象的なヒット曲、ケイプルトン(Capleton)の'Armshouse'と'Make Hay'で相変わらずの存在感を示した。
そうして1992年に発表されたチャカ・デマス&プライヤーズ(Chaka Demus & Pliers)の'Murder She Wrote'は世界的な大ヒットを記録し、この楽曲に使用されたトゥーツ&ザ・メイタルズ(Toots & The Maytals)のリメイク・リズムはスライ・ダンバーが模索していた新しいサウンドのさきがけであり、インドとパキスタンにまたがるパンジャーブ州の民謡"バングラ"からヒントを得た物だった。
その後は人気リズムをヴァージョンすることはあまりせず、オリジナルのインストゥルメンタル楽曲を中心的に発表した。
2000年以降もダンスホールの中心に存在し続けたスライ&ロビーはレーベルの代表作である"Bam Bam"リズムの再リリースや、"Darker Shade Of Black"、"Baltimore"、"Tune In"のリメイク等を発表していった。
70年代からおびただしい数のセッションを経験し、常に斬新なサウンドを創り出す彼らはジャマイカを代表するミュージシャンとして現在でも活躍を続けている。
2009/10/06 掲載 （2014/04/16 更新）
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