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トップ特集・オリジナルコンテンツレーベル名鑑Eclipse
レーベル特集
Eclipse(エクリプス)Text by Dub Store Sound Inc.
キング・タビーズのエンジニアとしてキャリアをスタートし、ニューヨーク・ダンスホール・シーンの重要人物となったフィリップ・スマート(Phillip Smart)がプロデュースを手掛けるレーベル。
Eclipse
設立地 アメリカ合衆国 ニューヨーク 
主要スタジオ
HC&F Studios
設立者
Phillip Smart
プロデューサー
エンジニア
Phillip Smart
関連アーティスト
関連レーベル
ニューヨークのダンスホール史に確かな功績を残した人物、フィリップ・スマート(Phillip Smart)がプロデュースを手掛けるレーベル。レーベル、リヴィング・ルーム(Living Room)、タン・ヤー(Tan Yah)と共にフィリップ・スマートが生み出した革新的なサウンドがここからリリースされた。スタジオ・エンジニアとしても偉大なる功績を残し、彼が運営するHC & F Studioは数え切れないヒット作を生み出している。

プロデューサーのフィリップ・スマートはダブの偉大なるオリジネイター、キング・タビー(King Tubby)のファイヤーハウス(Firehouse)スタジオでキャリアをスタートさせる。彼はキング・タビーの元でミキシングやスタジオ・ワークを学び、キング・タビー本人や兄弟弟子にあたるプリンス・ジャミー(Lloyd James)、サイエンティスト(Scientist)と共にミキシング技術の発展にも大きな貢献を果たした。

彼等が生み出し、発展させたダブという技法はプロデューサー、アーティスト以外にもエンジニアの重要性をシーンに認識させ、結果的に現在まで世界中のダンス・カルチャーにも多大なる影響を与えることとなった。

エンジニアとしてのフィリップ・スマートは非常に優秀な作品を残しており、代表作、タッパ・ズッキー(Tappa Zukie)のへヴィー・ウェイト・リズムをミックスした「In Dub」は、内容は勿論、その極端なリリース量の少なさも手伝って熱心なコレクターの間で熱狂的な支持を得た。

キング・タビーズ(King Tubbys)の中心的エンジニアとしてその役割を担ってきたフィリップ・スマートだったが、1976年にタビーの元を離れニューヨークへと移住。ここでHC & F Studioをオープンさせると80年代におけるニューヨーク・シーンの中心的スタジオとして様々な録音に使用された。

HC & F Studioでの最初のプロジェクトはバンドのモンヤカ(Monyaka)で彼等はHC & Fのサウンドを形成することになる。数ヶ月かけてアルバムを制作すると共に、ファースト・シングル、'Go Dey Yaka'はニューヨークのラジオ・チャートで1位を記録、ヨーロッパでも大ヒットを記録した。このヒットを皮切りにアメリカで1番のスタジオとして評価され、多くのアーティスト、プロデューサー、エンジニア、ミュージシャンが訪れる様になった。

当時アメリカにシーンに影響力をもったハイマン・ライト(Hyman Wright)のジャー・ライフ(Jah Life)レーベルのレコーディング・セッションも毎週のブッキングで請負、シスター・キャロル(Sister Carol)はアルバム「Black Cinderella」を、サイオン・サクセス(Scion Success)はデビュー・アルバムや'Can't Leave Jah Alone'、'Pain A Black'、バーリントン・リーヴィ(Barrington Levy)は'Black Roses'、'Murderer'といったヒットをこのスタジオで録音した。

アイランド・イン・ザ・サン(Island In The Sun)のオーナーであるバイロン・ホワイトリー(Byron Whitely)はホレス・アンディ(Horace Andy)、ジュニア・デルゲイド(Junior Delgado)、オーガスタス・パブロ(Augustus Pablo)と3枚のアルバムを制作、彼は1982年からHC & Fと活動を共にし、ヨーロッパやアジアでのライセンス契約を受け持ち、コンパイル作品を提供した。

ミュージック・マスター(Music Master)、ウィッティ(Witty)を運営したウィットフィールド・ヘンリー(Whitfield Henry)もこのスタジオで多くのダンスホール・ヒットを手掛けた。彼が行った最初のセッションはあまり有名とは言えなかったA チーム(A Team)を起用したリズム・トラック製作で、このセッションで16ものリズムを制作し、テナー・ソウ(Tenor Saw)の'I Just Love My Woman'、チャーリー・チャップリン(Charlie Chaplin)の'Danceh In A Athletic Club'が彼の手掛けた初期ヒットとなった。ウィッティは毎月10タイトルの12インチをリリースし、スタジオは24時間7日間ぶっ通しで稼動、1ヶ月半先まで予約が埋まってしまう状態であった。

その後このスタジオで生まれたシェリー・サンダー(Shelly Thunder)の'Kuff'やチャカデマス(Chaka Demus)とトント・アイリー(Tonto Irie)の'Rock And Roll'、アルトン・ブラック(Alton Black)とブラッカー(Blacker)の'A Gal A Watch You'といったヒットでのミュージック・マスターの躍進は周知の事実である。

こうしたスタジオの活動は更なる評判を呼び、各国から更に多くのアーティストが訪れる。その中には日本のナーキ(Nahki)もおり彼はニューヨークに住み、このスタジオで録音を行った。この活動は日本でも話題となり、日本から取材陣が駆けつけた程であった。

90年代に入るとウィッティのミュージシャンを起用してMr.ドゥ(Mr. Doo)が制作を開始。Mr.ドゥはニンジャマン(Ninjaman)、グレゴリー・アイザックス(Gregory Isaacs)、ジョージ・ヌークス(George Nooks)、ココ・ティー(Cocoa Tea)のアルバム・プロジェクトをHC & G Studioで開始し、ニンジャマン(Ninjaman)とジョージ・ヌークス(George Nooks)の'More Than You Bargain'、ココ・ティーの'Rikers Island'、ナード・ランクス(Nardo Ranks)の'Burrup'がヒットを記録した。

91、92年にはスーパー・パワー(Super Power)もプロデュース業へと乗り出し、ファースト・シングルであるルーイ・ランキン(Louie Ranking)の'Typewriter'は大ヒットとなった。

こうしたスタジオの評判と平行して自身のプロデュース作品も手掛けたフィリップ・スマートは80年代後半にレーベル、エクリプス(Eclipse)からサミー・リーヴィ(Sammy Levy)、ニコデマス(Nicodemus)、リリー・メロディ(Lilly Melody)といったアーティストの作品をリリースした。これらの作品はコアなダンスホール・ファンから熱狂的な支持を得ると共に、ポスト"Sleng Teng"となるリズム、作品の制作に意欲を見せたフィリップ・スマートの情熱が乗り移ったかのような力強い作品である。

同じく系列レーベルであるタン・ヤーからは'Drum Song'のリメイクに乗せた素晴らしいダンスホール・ヒット、ダーツマン(Dirtsman)の'Hot Dis Year'やレッド・フォックス(Red Fox)とスクリーチー・ダン(Screechie Dan)の'Pose Off、更にガーネット・シルク(Garnett Silk)の数枚のシングルとジャマイカ、ニューヨークとそれぞれで活躍するアーティストを手掛けている。インターナショナル・ヒットとなったシャバ・ランクス(Shabba Ranks)の'Mr. Lover Man'やスーパー・キャット(Super Cat)の'Don Dada'といった楽曲のリズムも彼が手掛けている。

更にクラブ・ディージェイであるスティング・インターナショナル(Sting International)、ロバート・リヴィングストン(Robert Livingston)と共同でレーベル、シグネット(Signet)をプロデュース。ここでダンスホールをメイン・ストリームへと押し上げたシャギー(Shaggy)のヒット曲を手掛け、フォークス・ブラザーズ(Folks Brothers)の'Oh Carolina'のカバーや、'Boombastic'、メジャー・レーベル、ヴァージン(Virgin)からプラチナム・ヒットとなったアルバム、「Boombastic」、レイヴォン(Rayvon)とのコンビで'Big Up'といった楽曲を制作した。近年のヒット作も同様で、'Church Heathen'や'Bad Man Don't Cry'といった作品にもフィリップ・スマートが携わっている。

2000年以降はコンピュータを駆使したPro Toolsでのレコーディング、ミキシングが可能になり、モー・ミュージック(Mo Music)からの"Headache"、"Hurricane"、ビッグ・ジーンズ(Big Jeans)の"Blue Drawers'、スーパー・ドゥ(Supa Doo)の"Hi Fever"、ユニバーサル・ダンスホール(Universal Dancehall)の"Hard Drive|||"といったリズムが制作された。

ジャマイカ、ニューヨークとレゲエ・ミュージックの発展に深く携わってきたフィリップ・スマート(Phillip Smart)のキャリアは驚く程に長い。自身のプロダクションもさることながら、エンジニアとして多くの楽曲制作に関わり、もはや伝説的人物として多くの尊敬を集める。彼の挑戦は今尚継続され、HC & F Studioでは新しいリズムの制作プロジェクトが進められている。
2009/06/05 掲載 (2014/04/17 更新)
Copyright (C) 2024 Dub Store Sound Inc.
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