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レーベル特集

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Roof International（ルーフ・インターナショナル）Text by Dub Store Sound Inc.

オーチョ・リオスに拠点を置くダンスホール・レーベル。キングストンとは異なるアプローチでシーンに大きな功績を残した。各地でのオーディションを通してアーティストの発掘、育成も積極的に行い、若い才能が巣立っていった。

Roof International

設立	1990年
設立地	ジャマイカ　オーチョ・リオス
主要スタジオ	Grove Music Recording Studio
設立者	Courtney Cole
プロデューサー	Courtney Cole
エンジニア	Soljie
関連アーティスト	Burro Banton Cutty Ranks Future Trouble Garnett Silk Jigsy King President Brown Tony Curtis

スカ、ロックステディー期に多数のヒット曲を残したシンガー、ストレンジャー・コール(Stranger Cole)を父に持つ、コートニー・コール(Courtney Cole)によって設立されたレーベル。北海岸のオーチョ・リオスを拠点に首都キングストンとは異なるサウンドを展開した。レコードの流通に関しても大手ディストリビューターを使わず、自分達の手で行っていた。

キングストン出身のコートニー・コール(Courtney Cole)は自動車の修理工として働き始め、1982年に出稼ぎの為アメリカへと渡った。資金を集めて帰国した彼は、オーチョ・リオスにクラブ、ルーフ・ナイト・クラブをオープンさせる。このクラブが実質的にルーフ・インターナショナル(Roof International)の母体となった。このクラブでアーティスト・コンテストを開いていたコートニー・コール(Courtney Cole)は発掘したアーティストを自身の手で売り出すべく、プロデュース業へと乗り出したのである。

このコンテストでチャンスを掴んだアーティストの中には、ガーネット・シルク(Garnett Silk)、トニー・カーティス(Tony Curtis)、ジグシー・キング(Jigsy King)、ブラッシー・ワン・ストリング(Brushy One String)、ヤサス・アファーライ(Yasus Afari)といった面々がいた。彼等はルーフ・インターナショナル(Roof International)でチャンスを掴み、シーンを駆け上がっていったのである。彼はジャマイカ各地に新人発掘の為の情報網を張り巡らせ、自らも各地へ足を運んだ。車に機材を積み、アーティスト発掘の為に様々な場所でオーディションを開いていたのである。こうしたハード・ワークは彼の音楽への情熱の表れに他ならない。彼は若い才能にチャンスを与えるべく、こうした活動を地道に行って来たのである。

1990年、レーベルのファースト・シングル、グレゴリー・アイザックス(Gregory Isaacs)とシャギー・ワンダー(Shaggy Wonder)の'Hide & Lick'がいきなりのヒット。このヒットを皮切りに、ガーネット・シルク(Garnett Silk)とヤサス・アファーライ(Yasus Afari)によるコンビネーション、'I Can See Cleary Now'、ガーネット・シルク(Garnett Silk)、Nothing Can Divine Us'、カッティー・ランクス(Cutty Ranks)、'A Who Sey Me Dun'と立て続けにヒットをチャートに送り込み、オーチョ・リオスの地でキングストンのレーベルとも互角に渡り合った。更にガーネット・シルク(Garnett Silk)、'Mama'やジグシー・キング(Jigsy King)、'Give Me The Weed'、トニーカーティス(Tony Curtis)、ジグシー・キング(Jigsy King)の'Butterfly'等もレーベルを代表するヒット作であり、ダンスホールでは定番のチューンとなった。こうしてルーフ・インターナショナル(Roof International)は90年代のダンスホール・シーンにおける重要なレーベルとして位置付けられる事となったのである。

やはりオーチョ・リオスでのプロダクション運営は、キングストンと比べ、多少のハンデはあったであろう。しかしルーフ・インターナショナル(Roof International)はそれを感じさせない力強い作品を提供し続けた。その分各地を飛び回り、新たな人材発掘の為に労力と時間を費やした。各地でのオーディションは月一回のペースで定期的に行われ、田舎に住む多くの若者にもチャンスが与えられる事となった。こうしてシーンへと登場したアーティスト達は後のシーンを活性化させる存在となっていったのである。オーチョ・リオスから発信されるルーフ・インターナショナル(Roof International)のサウンドは確実にシーンを活性化させ、今尚その評価は高い。

2008/05/09 掲載　（2008/10/06 更新）