レゲエコレクター.com - Crystal プロファイル

レゲエ・ミュージック・レア・コレクターズ＆中古盤・オンラインショップ

>> 詳細検索を表示

トップ→特集・オリジナルコンテンツ→レーベル名鑑→Crystal

箱に入れて送るだけ簡単宅配買取レコード・CD・DVD・音楽本・DJ機材など高価買取送料無料で全国対応ジャンルを問わずなんでも査定

世界最大級のオンラインショップ！RECORD CITY レゲエアイテムはこちら！

◼コンディション表記

レーベル特集

レーベル名鑑へ

Crystal（クリスタル）Text by Dub Store Sound Inc.

1962年、50年代から歌手として活躍するデリック・ハリオット(Derrick Harriott)によって旗揚げされたレーベル。ロックステディーからレゲエの時代に多くの名曲を残し、キース・アンド・テックス(Keith & Tex)やデニス・ブラウン(Dennis Brown)といったアーティストを手がけた。

Crystal

設立	1962年
設立地	ジャマイカ　キングストン
主要スタジオ	Channel One Dynamic Errol T Studio Federal Harry J
設立者	Derrick Harriott
プロデューサー	Derrick Harriott
エンジニア	Bunny Tom Tom Carlton Lee Flick Wilson Maxie Ossie Hibbert Sid Bucknor
関連アーティスト	Augustus Pablo Big Youth Bobby Ellis Bongo Herman Chosen Few Crystalites Dennis Brown Derrick Harriott Ethiopians Horace Andy Keith & Tex Kingstonians Ray I Scotty
関連レーベル	Derricks Move & Groove

自身も歌手として活躍したデリック・ハリオット(Derrick Harriott)によって設立されたレーベル。レゲエ・ミュージック創世記からのメンバーであり、多くのライバル達と競いながらレゲエ・ミュージックの基盤を作った功労者である。ジャイビング・ジュニアーズ(Jiving Juniors)のメンバーでもあった彼が手がけた作品の多くは、レーベルを支えた楽団、クリスタライツ(Crystalites)の滑らかな演奏に乗ったロマンティックな曲調が印象的である。最初の印象的なレコードは彼等によるインストゥルメンタルが多い。ウィンストン・ライト(Winston Wright)のハモンド・オルガンやボンゴ・ハーマン(Bongo Herman)、スカリー(Scully)によるパーカッションを前面に押し出す等、バラエティーに富んでいる。

彼のクリスタル(Crystal)、ムーヴ・&・グルーヴ(Move & Groove)、デリックス(Derricks)といったレーベルはロックステディー、アーリー・レゲエ期にピークを迎えた。キース・&・テックス(Keith & Tex)やデニス・ブラウン(Dennis Brown)、キングストニアンズ(Kingstonians)、ボビー・エリス(Bobby Ellis)、チョーゼン・フュー(Chosen Few)といったメンバー達が多くのヒットを放ち、フェデラルズ(Federals)のリード・シンガーであるデイヴィッド・スコット、通称スコッティ(Scotty)も価値あるディージェイ・ヴァージョンを残している。デリック・ハリオット(Derrick Hariott)自身もマイクを握った素晴らしいヴォーカル作品も見逃せない。

中でもキース・&・テックス(Keith & Tex)の'Tonight'と'Stop That Train'は非常に重要なリリースとなった。後に多くにヒット曲に使われたこのタフなリズムに乗せた二人の切々としたハーモニーは文句無しに素晴らしい。またスパニッシュトニアンズ(Spanishtonians)によるスカのカバー'Stop That Train'も同様に評価される素晴らしい作品だ。ジャマイカでも様々なアーティストがカバーした人気曲である。

The Crown Prince Of Reggaeことデニス・ブラウン(Dennis Brown)も同様に価値ある録音を残した。デリック・ハリオット(Derrick Harriott)は11歳でデビューを果たしたその2年後、彼の幼さの残る初々しい一面を見事に捉える事に成功した。'Concentration'、'He Can't Spell'と言ったオリジナル曲の他に、レイズ(Rays)のカバーである'Sihouettes'は彼のキャリアを飾る重要な1ページである。

デリック・ハリオット(Derrick Harriott)自身の楽曲にもキラリと光るものがある。'The Loser'、'Do I Worry'、'Born To Love You'といったロックステディーは高く評価されている代表曲だ。ゆったりとしたビートに揺れる彼の歌声は何かを切望するような哀愁を感じさせる。しかし彼の抜けるように澄んだファルセットはスウィートなソウル・ナンバーにおいてその素晴らしさが際立っているように思える。彼の残したカバー曲は極めてクオリティーの高い作品ばかりであるが、カバー中心のリリースが多い事は、彼の評価に疑問符を付けている部分が少なからずあるかも知れない。しかしこれらの楽曲はラヴァーズ・ロックの先駆けとも言える歴史的に重要な物で70年代中期にイギリスで巻き起こるラヴァーズ・ロックのムーヴメントに大きな影響を与えているのである。

彼のリズムは次なる時代が幕を開けても強い影響力は失われていない。U・ロイ(U Roy)やI・ロイ(I Roy)、ビッグ・ユース(Big Youth)といったトップ・ディージェイが彼のリズムに乗せて録音し、オーガスタス・パブロ(Augusutus Pablo)もまた彼のリズムを使い印象的なインストゥルメンタルを残した。ダンスホール期にも先に触れた'Tonight'が数々のヒット曲に使われている。彼の残した音楽はレゲエの新たな局面を開拓し、イギリスでも高い評価を得た。レゲエの発展にプロデューサー、アーティスト両面で大きな貢献を果たしたと言える。

2008/03/11 掲載　（2008/03/24 更新）