Fox(フォックス)Text by Dub Store Sound Inc.
ジャック・ルビー(Jack Ruby)によって運営されたレーベル。オーチョ・リオスを拠点とし、数々の傑作を残した。70年代のルーツ・シーンにおける最高のプロダクションの一つである。
Fox
設立地 |
ジャマイカ オーチョ・リオス |
主要スタジオ |
Harry J Randy's チャンネル・ワン |
設立者 |
Jack Ruby |
プロデューサー |
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エンジニア |
Errol Thompson George Philpott |
関連アーティスト |
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関連レーベル |
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ジャマイカの北海岸、オーチョ・リオスを拠点に活動したレーベル。レゲエ史に燦然と輝く素晴らしいルーツ・ミュージックを手がけたプロデューサー、ジャック・ルビー(Jack Ruby)の所有するプロダクションである。彼の手がけた作品はおおよそ商業的とは呼べない物であったが、引き締まったそのサウンドは多くのリスナーに高く評価されている。
オーチョ・リオスを拠点としたサウンド・システムのオーナーであったジャック・ルビー(Jack Ruby)はルーツ・レゲエ不屈の名作、バーニング・スピア(Burning Spear)の'Marcus Garvey'を手がけた事で後世にまでその名を残す事となった。バーニング・スピア(Burning Spear)はスタジオ・ワン(Studio One)で2枚のアルバムを発表した後、更に綿密なルーツ・ミュージックを創造するべくジャック・ルビー(Jack Ruby)の元を訪れた。ロビー・シェイクスピア(Robbie Shakespear)、アストン・'ファミリーマン'・バレット(Aston Familyman Barrett)、リロイ・'ホースマウス'・ウォレス(Leroy Horsemouse Wallace)といったリズム隊とリチャード・'ダーティー・ハリー'・ホール(Richard Dirty Harry Hall)、ボビー・エリス(Bobby Ellis)、ヴィン・ゴードン(Vin Gordon)等超一流のミュージシャンが支えたカルチュラル・スタイルのプロダクションは、バーニング・スピア(Burning Spear)が自身の内面を表現するのに求めていた全ての要素を備えていたと言える。ブラック・ディサイプルス(Black Disciples)やブラック・サヴァイヴァーズ(Black Survivors)と呼ばれるバンドが作り出す引き締まったタフなサウンドはジャック・ルビー(Jack Ruby)の音楽を完璧に表現した。
バーニング・スピア(Burning Spear)はジャック・ルビー(Jack Ruby)の元で、カルチュラルなテーマを掲げる新時代の開拓者としての地位を確立していった。崇高なラスタの精神によって構成される彼の音楽は、その強いメッセージ性を持って民衆へと深く浸透していったのである。彼はまた、'Marcus Garvey'と同等に強力なシングル、'Slavery Days'や、3人組のグループとして発表した'Man In The Hills'といった傑作をジャック・ルビー(Jack Ruby)の元に残し、その一貫したスタイルは現在でも変わる事は無い。
また、ジャスティン・ハインズ・アンド・ザ・ドミノス(Justin Hinds & The Dominos)やビッグ・ユース(Big Youth)、ヘプトーンズ(Heptones)、ゲイラッズ(Gaylads)、ケン・ブース(Ken Boothe)等の面々もクオリティーの高い作品を残し、レーベルの価値を更に高い物へと押し上げている。
ジャック・ルビー(Jack Ruby)が手がけたサウンドは商業的な音楽とはかけ離れた場所に存在していたが、彼等の残した恐ろしい程に尖ったそのサウンド、ストレートでタフなメッセージは多くのルーツ・ファンを魅了してやまない。
2008/04/17 掲載 (2008/04/25 更新)