Harmony House（ハーモニー・ハウス）Text by Dub Store Sound Inc.
70年代から歌い続け、今尚別格の存在感を誇るあのべレス・ハモンドによって設立されたレーベル。自身のヒット曲もさることながら、若き日のジャー・キュアやシズラ等を世に送り出したプロデューサーとしての手腕も確かで、質の高い楽曲をリリースし続けている。
Harmony House
| 設立 | 1985年 |
| 設立地 | ジャマイカ |
| 設立者 | Beres Hammond |
| プロデューサー | |
| 関連アーティスト |
彼はダンスホールの時代、つまりデジタル・トラックが主流となってからより注目を集めるようになったアーティストであるが、彼のシンガーとしてのキャリアは驚くほど長く、ザッポウ(Zap Pow)のヴォーカリストとしてのデビュー以来30年以上に及ぶ。
幅広い年齢層にレゲエ・ミュージックの魅力を伝えるという意味合いも込めて、オールド・スタイルを継承しつつ、様々なアプローチを試みるベレス・ハモンドのようなアーティストはそれぞれの時代を繋ぐ非常に重要な役割を果たしている。その窓口として設立されたのがレーベル、ハーモニー・ハウス(Harmony House)だ。
ハーモニー・ハウスからは、アルトン・エリス(Alton Ellis)やピーター・トッシュ(Peter Tosh)、更にはアメリカの素晴らしいシンガー、サム・クック(Sam Cooke)やオーティス・レディング(Otis Redding)等に影響を受けたべレス・ハモンドのソウルフルでダイナミックなスタイルを受け継ぐアーティストが次々に巣立っている。若き日のジャー・キュア(Jah Cure)も'Dung In Deh'や'Hanging Slowly'、ジャー・メイソン(Jah Mason)とのコンビネーション'Run Come Love Me'、シズラ(Sizzla)と共演した'King In This Jungle'等クオリティーの高い作品を残している。
1985年のレーベル設立後、大きなヒットとして最初に挙げられるのは自身の'Groovy Little Thing'であろう。レーベル発足直後のリリースながら現在まで多くのサウンドのダブ・プレート等でお馴染みのファウンデーション・チューンである。
90年代に入ってもペントハウス(Penthouse)等他レーベルでの自身の活動と平行して、ハーモニー・ハウスからは良質の作品群が続々とリリースされた。
そして2000年発表の'Rock Away'はシーンに大きなセンセーションを巻き起こした。リリース当時年齢を問わず世界中の人々がこの曲に熱狂し、'Rock Away'はレーベル最大のヒットとなった。ベテラン・アーティストのべレス・ハモンドによる良き時代を振り返るというリリックは幅広い年齢層の共感を呼び、世代を越えて多くの人々に受け入れられたのである。
このリズムでは合わせてモーガン・ヘリテッジ(Morgan Heritage)やニコラ・タッカー(Nicola Tucker)と言ったアーティストもリリースされ、どちらも非常にクオリティーの高い作品に仕上がっている。更に同年'They Gonna Talk'、'Don't Play With My Heart'と言った曲も合わせて大ヒットとなり、レーベルの存在の大きさを確かな物とした。
その後も毎年の様にヒット曲をチャートに送り込み、コンスタントな活躍を見せている。
2008/01/25 掲載 （2014/04/21 更新）
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